物損事故直後の対応

更新日:2021年12月06日

執筆者:弁護士 深田 茂人

交通事故被害者が損をしないための情報を手軽に得られるように、「交通事故お役立ち手帳」サイトを運営・執筆しています。そのコンセプトに賛同する全国の交通事故に詳しい弁護士とともに、無料相談にも対応しています。弁護士歴18年、交通事故相談担当1000件以上、大分県弁護士会所属(登録No33161)。

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物損事故の直後にすべき対応について解説します。

物損

物損事故直後すぐにすべき3つの対応(道路交通法72条)

他人の車、壁、電柱、ガードレールなどにぶつけた場合、すぐに次の3つの対応をしなければなりません。

  1. 停車
  2. 後続事故の防止
  3. 110番通報

たとえ急いでいても、これらの対応をせずに現場から去ってしまうと、当て逃げになるおそれがあります。

以下のとおり、当て逃げは重い罪になります。

  • ただちに運転を停止して、道路に散らばった物を片付けるなどの危険を防止する措置をとらなければ、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となる可能性があります(道路交通法117条の5)。
  • 警察への通報が遅れると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金となる可能性があります(道路交通法119条1項10号)。

絶対に現場を去らないようにし、以下の対応をとりましょう。

もしケガをした人がいる場合は、すぐに負傷者を救護し、119番通報してください。
詳しくは人身事故を起こした直後に現場でとるべき対応のページをご覧ください。

以下、すぐにすべき3つの対応について、それぞれ解説します。

すぐに路肩などに停車

物損事故を起こしたらすぐに、路肩や空き地などの近くの安全な場所に車を停めて、エンジンを切ってください。

後続事故の防止

後続車に事故の発生を知らせるなど、危険防止の措置をとりましょう。

事故車が安全に動く場合は、ハザードランプを点けて、車を路肩などに移動させましょう。

車が動かない場合は、ハザードランプを点けて(ハザードランプが点かない場合はトランクを開けて)、車に積んである発炎筒や三角表示板などを使って、後続車に事故を知らせる措置をとりましょう。

そのほかにも、たとえば、以下のような必要な措置をとる必要があります。

  • 散乱した積荷を道路脇に運ぶ。
  • 道路に油が流れていて後続車がスリップするおそれがあるときは砂をまいてスリップを防止する。
  • 発火の危険を防ぎ、発火したときは消火する。

110番通報

必ず110番通報をして警察を呼びましょう。

もし相手方から、警察を呼ばないよう頼まれても、それに従ってはいけません。

警察への通報は、人が死傷した場合だけでなく、単に物の損壊があっただけの場合でもその損壊の大小を問わずしなければなりません(道路交通法第72条1項、最高裁昭和44年6月26日判決)。

その後すぐにすべきこと

上記の各対応をとった後、すぐに以下の対応をとってください。

証拠を集める

スマホのカメラ

事故車の破損した部分や現場に破損した物が散らばった状況などを、携帯電話のカメラで撮影しておきます。

また、事故車や後続車などにドライブレコーダーが搭載されていないか、事故現場が映っている防犯カメラがないかを確認し、事故時の映像の確保に努めます。

目撃者がいる場合は、警察官が到着するまで待ってもらうように頼んでみましょう(断られた場合は連絡先を聞いておきましょう)。

相手方の確認

以下の事項を相手方から教えてもらいましょう。

  • 住所、氏名、連絡先、勤務先(免許証、名刺で確認する)
  • 相手の車のナンバー(車検証で確認する)
  • 任意保険会社名(保険証券で確認する)

自分の免許証や名刺、保険証券などを先に見せれば、相手方も感情的にならずに見せてくれると思われます。

保険会社に電話

自分が加入している保険会社に物損事故に遭ったことを電話します。
様々なサービスや特約が利用できる可能性がありますので、詳しく教えてもらう必要があります。

相手方の保険会社との交渉方法、物損事故の示談金額の相場については、物損事故のページをご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴18年、交通事故の相談を1000件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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