2022.07.04 更新

交通事故の過失割合

過失割合とは、事故が起きたことについての「自分の過失(責任)」と「相手の過失(責任)」の割合のことです。
以下の質問に回答していくと、下図の(例)のように過失割合を調べることができます。

過失割合の例

表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして弁護士が検討したものです(弁護士に無料相談もできます)。

弁護士
まず、あてはまる事故をクリックしてください

・過去に当サイトで過失割合を調べたことがある場合

過失割合事例Noが含まれているものをクリックしてください。

【No1-185】歩行者と車の事故
【No210-342】自転車と車の事故
【No470-637】単車と四輪自動車の事故
【No730-895】四輪自動車同士または単車同士の事故

*今後、事例が追加される可能性があるため、欠番を設けています。

過失割合とは?何に影響?

交通事故は人の過失によって起こります。
事故の相手だけに過失がある場合もあれば、自分と相手の双方に過失がある場合もあります。

このような事故が起きたことについての「自分の過失(責任)」と「相手の過失(責任)」の割合を過失割合といいます。
双方の割合を合計して100または10になるようにします。

たとえば、相手の過失が90%、自分の過失が10%の場合、「相手と自分の過失割合は90%対10%」と表現します。なお、%をつけずに「90対10」ということもありますし、合計を10にして「9対1」ということもあります。

慰謝料などの賠償金額に影響

車と電卓

交通事故に遭うと、さまざまな損失が生じます。ケガをすれば、治療費がかかり、仕事を休めば収入が減ります。また、精神的な苦痛もあります。所有する車などが壊れることもあります。
このような損失分のお金(治療費・休業損害・慰謝料・修理代などの賠償金)を相手に請求することになります。

ただし、自分の過失割合の分については、相手に請求できません

たとえば、自分の損失の総額が1000万円で、相手と自分の過失割合が80%対20%(8対2)の場合、

1000万円×80%=800万円

が、相手から支払いを受けられる金額(賠償金額)となります。

このように、過失割合は相手から支払いを受けられる金額に影響します。
(過失割合に応じて賠償金額が減額されることを「過失相殺(かしつそうさい)」といいます。)

過失割合は誰が決める?

過失割合は、当事者(自分と相手)が話し合って決めます。

なぜなら、事故を起こしたのは当事者ですし、過失割合によって影響を受ける賠償金額に関係するのも当事者だからです。
当事者が話し合って納得した過失割合ならば、それでよいということになります。

ただし、相手が任意保険に加入している場合は、その保険会社の担当者と話し合って決めることが多いです。
また、当事者から依頼を受けた弁護士が代わって話し合いをすることもあります。
(保険会社や弁護士は、当事者が納得しなければ、話し合いをまとめることはできません)。

話し合いがまとまらない場合は、裁判をして裁判官に決めてもらうことになります。

過失割合はどう決める?

はてなマークをもった女性

全国で多発する交通事故の中には、事故の状況が同種のものがあります(たとえば、交差点で互いに青信号で直進する車と対向する右折車の衝突事故など)。
事故の状況が同種の事故の過失割合があまりに大きく異なると、公平さが損なわれてしまいます。

そこで、東京地方裁判所の交通事故専門部の裁判官によって、典型的な事故状況ごとに基準となる過失割合が「別冊 判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(東京地裁民事交通訴訟研究会編 判例タイムズ社)という書籍によって公表されています。

そのため、保険会社、弁護士、裁判官は、このような法律文献を参考にして、過失割合を決めます。

ただし、実際に発生する事故は典型的な事故状況と全く同じとは限りません。
むしろ、道路状況、規制状況、当事者の動き、天候などについて細かく検討すれば、全く同じ事故は存在しません。

そのため、話し合いや裁判の場面では、法律文献の基準を目安にしつつ、個別の事情を考慮して、それぞれの事故の過失割合が決定されています。
その際には、上記以外の法律文献や過去の具体的な裁判例も参考にされることがあります。

「別冊 判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(東京地裁民事交通訴訟研究会編 判例タイムズ社)1頁
「一般的な民事交通訴訟については、大量の同種事案を公平・迅速に処理するため、古くから賠償額や過失相殺率に関する基準化が図られてきたことから、争点に関する裁判所及び当事者の認識は、相当程度共通化されており、おおむね1年以内での紛争の解決が図られている。」

当サイトが参考にした法律文献

当サイトで表示される過失割合の数値(%)は、以下の各種法律文献を参考にして、弁護士が検討したものです。

「別冊 判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(東京地裁民事交通訴訟研究会編 判例タイムズ社)
「赤い本 弁護士必携 民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2021年(令和3年)版」(日弁連交通事故相談センター東京支部)
「実務裁判例 交通事故における過失割合 自動車事故及び消滅時効、評価損等の諸問題 第2版」(伊藤秀城著 日本加除出版)
「実務裁判例 交通事故における過失相殺率 自転車・駐車場事故を中心にして 第2版」(伊藤秀城著 日本加除出版)
「交通事故損害賠償データファイル 2巻」(交通事故損害賠償研究会編集 新日本法規)
「交通事故損害賠償データファイル 3巻」(交通事故損害賠償研究会編集 新日本法規)
「交通事故の過失割合<早見表>」(林洋編 技術書院)
「注解 交通損害賠償算定基準 実務上の争点と理論 下 過失相殺・寄与度編 三訂版」(損害賠償算定基準研究会編 ぎょうせい)
「交通事故『過失割合』の研究 交通事故工学の視点から『過失割合認定基準』の問題点を衝く 新訂版」(林洋 技術書院)
「交通事故過失割合の研究」(藤村和夫編 日本評論社)
「執務資料 道路交通法解説 17訂版」(道路交通執務研究会編著 野下文夫原著 東京法令出版)
「注解 道路交通法 第4版」(道路交通法研究会編著 立花書房)
「新実務道路交通法」(小川賢一著 立花書房)
「図解 道路交通法 4訂版」(道路交通法実務研究会編 東京法令出版)
「普及版 道路交通法 図解・注解付 第27版」
D1-Law.com 第一法規法情報総合データベース

保険会社の言う過失割合は正しい?

電卓をもったスーツ姿の男性

保険会社は、法律文献を参考にして、「この件の過失割合は●対●です。」などと言っています。

しかし、保険会社は、顧客である相手の味方ですので、相手の言う事故状況を前提にしていたり(本当は黄信号だったのに青信号を前提にするなど)、相手にとって有利なように法律文献を解釈していたりすることが多いです。

そのため、保険会社の言う過失割合を鵜呑みにして、本来もらえるはずの金額がもらえないというケースはよくあるので、注意が必要です。

まずは当サイトで過失割合を知らべてみてください。そして、必要に応じて弁護士に相談することをおすすめします。

過失割合はいつ出る?

当事者が話し合って決めるときは、その話し合いがまとまったとき、つまり、示談のときです。
一方または双方が、保険会社の担当者であったり、弁護士であったりした場合も同じです。

話し合いがまとまらずに裁判になった場合は、判決が出たときです。
ただし、裁判の途中で和解ができた場合は、和解したときです。

過失割合に納得いかない場合は?

まずは当サイトで過失割合を調べてみましょう。質問に答えていくだけで、過失割合を詳しく調べられます。

そして、最終的な判断をする場合は弁護士に相談しましょう(無料相談はこちら)

過失割合でもめるケースは?

本の前で話し合う2体の人形

過失割合でもめやすいケースには、次の3つがあります。

  1. 客観的な証拠が不足しているケース
  2. 法律文献に掲載されている典型的な事故態様でないケース
  3. 金額が大きいケース

目撃者やドライブレコーダーなどの客観的な証拠が不足しているケースでは、事故状況がはっきりしないために、もめることが多いです(たとえば、青信号と黄信号のどちらかはっきりしないなど)。

また、法律文献に掲載されている典型的な事故態様でないケースでは、基準とすべきものがないために、もめやすいといえます。

ほかにも、金額が大きいケースでは、わずかな過失割合の差で支払われる金額に大きな違いが生じるため、お互いの主張が激しくなり、もめることが多いです。

交通弱者が被害者であることが前提

当サイトの過失割合は、交通弱者が被害者であることを前提としたものです。

たとえば、歩行者と車の事故の場合、歩行者が被害者である場合には参考にできますが、車の運転者が被害者である場合には参考にできません。

同様に、当サイトの過失割合は、

  • 自転車と車の事故の場合、自転車が被害者であることを前提としています。
  • 単車と四輪自動車の事故の場合、単車が被害者であることを前提としています。

もっとも、

  • 四輪自動車同士の事故の過失割合の基準は、いずれの四輪自動車が被害者であっても使えます。
  • 単車同士の事故の過失割合の基準は、いずれの単車が被害者であっても使えます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

このサイトは、交通事故被害者に不可欠な情報を提供しています。

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このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴16年、交通事故の相談を900件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。