2022.09.12 更新

交通事故の過失割合は何に影響?

「あなたの過失割合は●%です。」と、保険会社の担当者に言われたけど、それって何に影響するの?

このような疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

このページでは、「交通事故の過失割合は何に影響するのか?」について、分かりやすく解説します。

「相手から支払われる金額」に影響します

車と電卓

過失割合とは、事故が起きたことについての「自分の過失(責任)」と「相手の過失(責任)」の割合のことです。

たとえば、あなたが交通事故に遭い、相手の過失があなたの過失の4倍の場合、

「あなたの過失割合は20%」「相手の過失割合は80%」

と表現されます。

過失割合が何%か調べたい方はこちら

そして、あなたが相手に、治療費や慰謝料などの賠償金を請求する場合、あなたの過失割合分の金額は差し引かれることになります。

具体的には、

あなたの治療費や慰謝料などの損害の総額は1000万円で、
過失割合が「あなた:相手=20%:80%」の場合、

あなたには、

1000万円×80%=800万円

だけ支払われます。

あなたの過失割合の分である、

1000万円×20%=200万円

は支払われません(あなたの自己負担ということになります)。

このように、過失割合は「相手から支払われる金額」に、直接影響するものです。

あなたの過失割合が何%かによって、あなたが受け取れる金額に大きく違いが出ます。
相手の保険会社の言う過失割合が正しいとは限りません。同意をする前に弁護士に相談しましょう。

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自分に過失割合があると、治療費の全額は払ってもらえない?

診療費請求書とお金

あなたに過失割合がある場合、あなたは、治療費の全額を払ってもらうことはできるのでしょうか。

たとえば、

あなたにかかった治療費は200万円で、
過失割合が「あなた:相手=10%:90%」の場合、

あなたの過失割合の分である、

200万円×10%=20万円

は、あなたの自己負担になります。

そうすると、相手の保険会社は、治療費200万円全額ではなく、180万円しか払ってくれないのでしょうか。

結論を言いますと、あなたの過失割合が高くなければ、保険会社は治療費を全額払ってくれます(上の例であれば、200万円全額を支払ってくれます)。

自分の過失割合が高くなければ、治療費全額を支払ってもらえることが多い

相手の保険会社は、あなたの過失割合が高くなければ(多くの場合、40%程度以下であれば)、あなたにかかった治療費を全額払ってくれます。

なぜなら、払い過ぎた治療費(=あなたが自己負担すべき治療費)を、後日、示談(じだん)のときに、慰謝料から差し引くことができるからです。

具体的には、

治療費 200万円
慰謝料 100万円
過失割合が「あなた:相手=10%:90%」の場合、

保険会社は、治療費の全額である200万円を支払ってくれます(多くの場合、病院に直接支払われます)。

その場合、あなたの過失割合の分である、

200万円×10%=20万円

は、保険会社が払い過ぎたことになります。

そこで、保険会社は、後日、あなたと示談するときに、

慰謝料100万円×相手の過失割合90%=90万円

から、払い過ぎた治療費20万円を差し引き、

90万円-20万円=70万円

を示談金として支払ってきます。

このようにして、払い過ぎた治療費を慰謝料から回収できるので、あなたの過失割合が高くなければ、保険会社は、治療費を全額払ってくれます。

自分の過失割合が高いと、治療費を払ってもらえないことがある

あなたの過失割合が高いと(多くの場合、40%程度を超えると)、保険会社が治療費を払ってくれないことがあります。

なぜなら、保険会社が治療費の全額を払ってしまうと、払い過ぎた治療費が慰謝料よりも高額になり、示談のときに回収できない可能性があるからです。

具体的には、

治療費 200万円
慰謝料 100万円
過失割合は「あなた:相手=40%:60%」の場合、

もし、保険会社が、治療費の全額である200万円を支払ってしまうと、

200万円×40%=80万円

が払い過ぎの治療費(あなたが自己負担すべき治療費)ということになります。

そして、後日、示談をするときに、保険会社がこの分を慰謝料から差し引こうとしても、

慰謝料100万円×相手の過失割合60%-払い過ぎた治療費80万円=-20万円

とマイナスになってしまいます。

これでは、保険会社としては、払い過ぎた治療費を回収できないことになってしまいます。

あなたの過失割合が高いために、このような回収できないおそれがある場合、保険会社は治療費を払ってくれないことがあります。

保険会社が治療費を払ってくれない場合の対策については、治療費のページをご覧ください。

*あなたの過失割合が高くても、治療費の全額が自賠責保険でまなかえる場合、任意保険会社は、自賠責保険会社から回収できるので、治療費の全額を支払うことがあります(次項をご覧ください)。

*分かりやすくするために、治療費と慰謝料しかない事例にしています。実際は、休業損害など他にも請求できるお金があることが多いです。詳しくは、慰謝料のページをご覧ください。

自分の過失割合が高いと、支払われる金額はとても少なくなる?

あなたが相手に、治療費や慰謝料などの賠償金を請求する場合、あなたの過失割合の分は差し引かれます。

そのため、あなたの過失割合が高い場合、あなたに支払われる金額はとても少なくなるのが原則です。

しかし、過失割合が高いとはいえ、支払われる金額があまりに低いと、被害者としては、治療費が払えなかったり、生活に困ってしまう事態になるおそれがあります。

そのような事態ができるだけ起きないように、法律で、「被害者の過失割合が高くても、最低限、これだけは払わなけければならない」という金額が決められています。

六法全書

具体的には、自賠責保険会社から支払われる金額については、被害者の過失割合が70%未満の場合、過失割合による減額はされないことになっています。

また、以下のとおり、被害者に70%以上の過失割合があっても、過失割合による減額率は小さいものとされています。

自賠責保険から支払われる金額についてはこちら
自賠責保険と任意保険の関係についてはこちら

<傷害の分>
被害者の過失割合が70%以上の場合:2割の減額

<後遺障害の分、死亡の分>
以下のとおり、被害者の過失割合に応じて、減額されます。

70%以上80%未満:2割の減額
80%以上90%未満:3割の減額
90%以上100%未満:5割の減額

自分に過失割合があると、相手にお金を支払わなければならない可能性もあります

あなたに過失割合があると、相手にかかった治療費や修理代、慰謝料などについて、あなたは、あなたの過失割合分のお金を支払わなければならない可能性があります。

たとえば、信号機のない交差点で、あなたの運転する車が直進していたところ、対向車が右折してきて衝突し、あなたと相手の過失割合が20%対80%であったとします。

あなたは、治療費や修理代、慰謝料などの損害総額のうち80%を、右折車の運転者に請求できます。

他方、相手もケガをしていたり、車が損傷したりした場合には、その治療費や修理代、慰謝料などの損害総額のうち20%を、あなたは相手に払わなければなりません。

このように、過失割合は、「あなたに支払われる金額」だけでなく、「相手に支払わなければならない金額」にも影響することがあります。

結果を大きく左右するものですので、相手の保険会社のいう過失割合を鵜呑みにせず、弁護士に相談した上で決めることをお勧めします。

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気軽にお問い合わせいただき、「損をしない解決」をしてほしいと思います。

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このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴16年、交通事故の相談を900件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。