大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴18年、交通事故の相談を1000件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。
四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合
更新日:2021年12月19日
四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合を調べることができます。
*単車同士とは、バイクとバイク、原付と原付、バイクと原付のいずれかのことです。
- 以下の質問に回答していくと過失割合を調べることができます。一度回答したボタンを再度クリックするとその質問に戻れます。
- 事故の場所はどちらですか?
-
交差点(一般道)
- 両車はどの道路から交差点に入ってきましたか?
-
同じ道路
- 交差点での両車の動きは?
-
先行車が右折、後続車が直進
- 右折車は、事故時、停止していましたか?
-
はい(右折待ち停止中の事故)
過失割合を調べる -
いいえ(右折中の事故)
-
先行車が左折、後続車が直進
過失割合を調べる -
両車とも直進
-
先行車がUターン、後続車が直進
過失割合を調べる -
上記以外
過失割合を調べる
-
向かい合う道路
-
交差する左右の道路
-
交差点以外(一般道)
-
高速道路
-
駐車場内
- 次のいずれの事故ですか?
-
駐車区画に出入りするときの事故
過失割合を調べる -
交差する通路での出合い頭事故
過失割合を調べる -
上記以外の事故
過失割合を調べる
-
上記以外
過失割合を調べる
・過去に当サイトで過失割合を調べたことがある場合
過失割合事例Noが含まれているものをクリックしてください。
初めての方で事例Noが分からない方は、上の質問に回答していくと、ご自身の事故の事例ページにたどりつくことができます。
【事例No732】追い越し禁止の交差点の右折車を後続車が中央線を越えて追い越した事故
【事例No734-735】追い越し禁止でない交差点の右折車を後続車が中央線を越えて追い越した事故
【事例No737】交差点で車が道路中央を越えずに右折車を追い越したときの事故
【事例No739】交差点で左端に寄らずに左折した車と後続する直進車の事故
【事例No741-742】直進車を後続車が追い越すときの事故
【事例No744】進路変更車と後続する直進車の事故
【事例No746】急ブレーキによる追突事故
【事例No748】Uターン時の事故
【事例No750-752】青または黄信号で交差点を直進する車と対向右折車の事故
【事例No755-758】赤信号で交差点を直進する車と対向右折車の事故
【事例No761】ともに赤点滅または黄点滅信号で交差点を直進する車と右折する対向車の事故
【事例No763-765】青または黄信号で交差点を左折する車と対向右折車の事故
【事例No768-771】赤信号で交差点を左折する車と対向右折車の事故
【事例No774】ともに赤点滅または黄点滅信号で交差点を左折する車と右折する対向車の事故
【事例No776】信号機の無い交差点を直進する車と右折する対向車の事故
【事例No778】信号機の無い交差点を左折する車と右折する対向車の事故
【事例No780-784】信号機のある交差点での出合い頭の事故
【事例No788】信号機のない十字路交差点の優先道路を直進する車と非優先道路を直進する車の出合い頭の事故
【事例No790-791】信号機のない十字路交差点の優先道路を直進する車と非優先道路から右折する車の事故
【事例No793-794】信号機のない十字路交差点の優先道路から右折する車と非優先道路を直進する車の事故
【事例No796】信号機のない十字路交差点の優先道路を直進する車と非優先道路から左折する車の事故
【事例No798-799】信号機のない十字路交差点の優先道路から右折する車と非優先道路から右折する車の事故
【事例No801-804】信号機のない十字路に一時停止の規制がある道路から入った車とその左の規制がない道路から入った車の事故
【事例No807-811】信号機のない十字路に一時停止の規制がある道路から入った車とその右の規制がない道路から入った車の事故
【事例No815-819】信号機のないほぼ同幅員の十字路に交差する道路から入ってきた車同士の事故
【事例No823-826】信号機のない十字路に狭路から入った車とその左の広路から入った車の事故
【事例No829-833】信号機のない十字路に狭路から入った車とその右の広路から入った車の事故
【事例No837-839】信号機のない丁字路交差点に優先道路と非優先道路から入ってきた車同士の事故
【事例No842-844】信号機のない丁字路交差点に一時停止規制のある道路と規制のない道路から入ってきた車同士の事故
【事例No847-849】ほぼ同幅員の丁字路交差点に突き当たり路と直線路から入ってきた車同士の事故
【事例No852-854】信号機のない丁字路交差点に明らかに幅員の狭い道路と広い道路から入ってきた車同士の事故
【事例No857】一般道での駐停車中の追突事故
【事例No859-861】道路外から道路に入るときの事故
【事例No864-865】右折して道路外に出るときの事故
【事例No867-870】対向車がセンターオーバーしてきた事故
【事例No873】高速道路の合流地点での事故
【事例No875-876】高速道路での車線変更時の事故
【事例No878】高速道路の路肩で停止中の追突事故
【事例No880-881】高速道路の本線車道に停止中の追突事故(停止していたことに落ち度がある場合)
【事例No883-884】高速道路の本線車道に停止中の追突事故(停止していたことに落ち度がない場合)
【事例No886】高速道路での急ブレーキによる追突事故
【事例No888】高速道路で車から落ちた物による事故
【事例No890-891】駐車場の駐車区画から出入りするときの事故
【事例No893-895】駐車場の交差する通路での出合い頭事故
*今後、事例が追加される可能性があるため、欠番を設けています。
過失割合の数値(%)
過失割合は下図の流れで決められます。
当サイトで表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものです。これにより目安となる数値(%)を調べることができます。
ただし、最終的な数値を決めるときには、実際の事故との細かな違いなどを考慮して、数値の修正を検討する必要があります。
示談などの最終的な判断をする場合は、必ず事前に弁護士に相談してください。
また、当サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読みください。
四輪自動車同士または単車同士の事故における個別の事情
当サイトの各事例には基本の過失割合が表示されています。
そして、その下に並んだ質問に回答すると、実際の事故の過失割合の目安となる数値(%)に変化します。
このように、事故ごとの個別の事情によって、過失割合は変化します。
当サイトの各事例の質問は、個別の事情のうち典型的なものです。
個別の事情にはありとあらゆるものが考えられますので、実際の事故では質問に含まれていない事情を考慮しなければならないこともあります。
以下では、四輪自動車同士または単車同士の事故における、できるだけ多くの個別の事情について解説しています(以下に挙げられてない個別の事情もありえます)。
一般道の事故
一般道の事故の場合、基本の過失割合を変化させる事情として、以下のものがあります。
右折禁止違反
右折禁止場所で右折した場合、過失割合が大きくなることがあります。
減速せずに右左折
道路交通法第34条1項2項は、右左折をするときは徐行しなければならないと定めています。
しかし、交通の実態から、右左折に適した速度まで減速していれば、危険は大きくないと考えられます。
そこで、右左折に適した速度まで減速をしなかった場合、過失割合が大きくなるケースがあります。
道路交通法第34条1項2項
「1 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
2 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。」同法第25条
「1 車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。
2 車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。」別冊 判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版(東京地裁民事交通訴訟研究会編)56頁
「右左折における修正要素としての『徐行』は、右左折車としての通常の速度を意味し、必ずしも法律上要求される徐行(法34条1項、2項、2条1項20号)でなくてもよい。」
交差点の中心付近まで行かずに手前で右折した場合(ショートカット右折)
道路交通法第34条2項は、右折するときは交差点の中心の直近の内側を通らなければならないと定めています。
それよりも手前で右折してしまうショートカット右折をすると、過失割合が大きくなることがあります。
右折前に道路の中央に寄らなかった場合
道路交通法第35条1項は、車線のある道路では、右折レーンで右折しなければならないと定めています。
また、道路交通法第34条2項は、車線のない道路では、道路の中央に寄って右折しなければならないと定めています。
そのため、右折レーン以外の車線から右折したり、道路の中央に寄らずに右折をしたりした場合、過失割合が大きくなることがあります。
右折開始時に相手がすでに交差点に入っていた場合
ハンドルを右に回し始めて右折を開始した時点で、対向で直進する相手がすでに交差点に入っていた場合、至近距離で右折を開始したといえるので、過失割合が大きくなることがあります。
相手が右折を終えていた場合
事故の時点で、相手がハンドルをまっすぐに戻して右折を終えていた場合、事故の主な原因が右折よりも、後からぶつかったためと考えられるので、過失割合が大きくなることがあります。
どちらかが明らかに先に交差点に進入した場合
後から交差点に進入した方の過失割合が大きくなることがあります。
渋滞中の信号機のある交差点内に直進車が進入した場合
信号機のある交差点が渋滞すると、信号が変わった後、信号にしたがった交通に支障が生じるおそれがあります。
そのため、渋滞中の信号機のある交差点内に進入してはならないとされています(道路交通法第50条1項)。
渋滞中は、右折車は直進車が交差点に進入しないと期待し、早めに交差点から出ようと右折するものの考えられます。
そのため、直進車の過失割合が大きくなることがあります。
道路交通法第50条1項
「交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。」
信号機のない見通しのよい交差点
道路交通法第36条1項1号は、信号機のない交差点における左方優先を定めています。
建物などがなく見通しのよい交差点では、互いの存在を認識できるので、左方優先を守るべき状況であったことが明白です。
そのため、右方から交差点に進入した方の過失割合が大きくなることがあります。
道路交通法第36条1項1号
「車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。 一 車両である場合その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車」(*太字引用者)
夜(日没~日の出)
道路交通法第52条1項は、前照灯などの灯火義務を定めています。
そのため、建物などがあって見通しの悪い交差点であっても、相手の存在が比較的わかりやすくなるといえます。
信号機のない交差点は左方優先(道路交通法第36条1項)ですが、相手の存在がわかりやすい場合は、右方が左方に譲るべき状況であったことが明白といえます。
そのため、右方の過失割合が大きくなることがあります。
片側2車線(両側4車線)以上の道路
片側2車線以上の道路は、車が多く、高速で走行しているのが一般的です。
そのため、道路外から進入しようとする方は、より注意をしなければならず、事故が起きた場合、過失割合が大きくなることが多いです。
ただし、歩道や1m以上の幅のある路側帯(白線)のない道路では、歩行者により注意をしなければならないため、車は高速で走行すべきではありません。
そのため、道路外から進入する方の過失割合が大きくなることはないと考えられます。
一般道・高速道路の事故
一般道または高速道路の事故の場合、基本の過失割合を変化させる事情として、以下のものがあります。
速度違反
法律上は、制限速度がありますが、制限速度を超えて走行している車が多いというのが実態です。
このような実態も踏まえて、過失割合は考慮されるべきといえます。
一般道では、制限速度から時速15km以上の違反がある場合に検挙されているという一般的な実務があります。
そのため、時速15km以上の速度違反の場合に過失割合が大きくなることが多いです。
さらに時速30km以上の速度違反の場合、反則金ではなく刑罰(罰金)とされており、危険も大きくなると考えられるので、過失割合はより大きくなります。
高速道路では、時速20km以上の速度違反で過失割合が大きくなり、時速40km以上の速度違反でさらに大きくなります。
酒気帯び運転
酒気を帯びて運転してはならず(道路交通法第65条)、過失割合が大きくなります。
道路交通法第65条
「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」
なお、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上の場合は、刑罰が科される可能性があります(道路交通法第117の2の2第3号)。
道路交通法第117の2の2第3号
「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
三 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」
酒酔い運転(まっすぐ歩けない等)
酒気を帯びているにとどまらず、正常な運転ができないほど酒に酔って運転していた場合、酒気帯び運転よりも刑罰が重く、違反が大きくなります(道路交通法第117条の2第1号)。
そのため、酒酔い運転の過失割合はさらに大きくなります。
「正常な運転ができない」といえるかは、まっすぐ歩けるかなどの検査で判断されます。
道路交通法第117条の2第1号
「次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。)にあつたもの」
執務資料 道路交通法解説17訂版694頁(道路交通執務研究会 編著)
「結局、社会通念上、いわゆる酒に酔っ払っている状態はもちろん、その程度に至らなくても、感覚機能、運転機能、判断力又は抑制力が著しくおかされている場合は、『酒に酔い』に該当するものと解してよいであろう。しかし、『酒に酔う』というのは、個人差が大きいので、具体的にそれぞれの場合について判断すべきものであると解する。」
居眠り運転
居眠り運転は、事故が起きる可能性が高いため、過失割合が大きくなります。
居眠り運転は、道路交通法第70条に違反し、過労による場合は同法第66条にも違反します。
道路交通法第70条
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。」
道路交通法第66条
「何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」
無免許運転
免許なく運転して事故を起こした場合、過失割合が大きくなることが多いです。
ただし、停車中などで無免許であることが事故を起こした原因となっていない場合を除きます。
携帯電話を持って通話、カーナビや携帯電話等を注視
携帯電話を持って通話したり、カーナビや携帯電話などの画面を注視したりして運転をすると、過失割合が大きくなります。
道路交通法第71条5号の5抜粋
「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。」
ウインカーなどの合図なし
合図なしに、右左折、進路変更、Uターン、バックなどをすると、過失割合が大きくなることがあります。
道路交通法第53条1項
「車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。」(*太字引用者)
初心者マーク等の表示
初心者マーク、シルバーマーク、身体障害者標識、仮免許練習標識の表示義務のある者がこれらを表示している場合、過失割合は小さくなります。
車線変更禁止違反
車線変更を禁止している車線で車線変更をした場合、過失割合は大きくなります。
道路交通法第26条の2第3項
「車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。
一 第四十条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
二 第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。」
ゼブラゾーン走行
ゼブラゾーンは、車の安全かつ円滑な走行を誘導するために、公安委員会または道路管理者が設置するものですが、法律で立ち入りが禁止されているものではありません。
しかし、車の安全かつ円滑な走行のためにゼブラゾーンに立ち入らないよう誘導されている以上、あえて立ち入って走行している車の過失割合は大きくなります。
追越車線での停止・落下物
最も右側の追越車線では、車は高速で走行するのが通常です(道路交通法第20条1項3項参照)。
そのため、追越車線で車が停止したり、積み荷を落としたりすると、危険がより大きくなるので、過失割合が大きくなります。
高速道路で考慮されることが多い事情です。
道路交通法第20条1項3項
「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。」
「車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。」
視界不良
夜間や濃霧、雨などのため視界が不良の場合、車が停止したり、積み荷を落としたりすると、危険がより大きくなるので、過失割合は大きくなります。
高速道路で考慮されることが多い事情です。
制動灯の故障
制動灯(ブレーキランプ)が故障していたり、夜間に尾灯(テールランプ)していたりすると、後続車は、危険を察知しにくいため、過失割合が小さくなります。
駐停車のはみ出し
車は、できる限り道路の左側端に寄って駐停車しなければなりません(道路交通法第47条)。
また、高速道路では、故障などの理由がある場合、十分な幅員がある路肩や路側帯に駐停車することができます(道路交通法第75条の8本文第1項2号)
そのため、できる限り左側端に寄らなかったり、路肩や路側帯に十分な幅員がなかった場合には、駐停車していた車の過失割合が大きくなります。
道路交通法第47条
「車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3 車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」同法第75条の8本文第1項2号(抜粋)
「自動車(これにより牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。」
車道を閉塞
車が道路で斜めに停止したり、横転したりすると、車道を閉塞してしまい、後続車などの他の車の交通の妨げになってしまいます。
車線の数、車の大きさや停止・横転の態様にもよりますが、追突された車は、車道を大きく閉塞した場合には、過失割合が大きくなります。
高速道路の事故
高速道路の事故の場合、基本の過失割合を変化させる事情として、以下のものがあります。
分岐点・出入口付近での車線変更
分岐点や出入口付近では、車線変更が多くなることが予想できます。
そのため、進路を変更する車の過失割合が小さくなります。
道路交通法第75条の7第2項
「自動車は、その通行している本線車道から出ようとする場合においては、あらかじめその前から出口に接続する車両通行帯を通行しなければならない。この場合において、減速車線が設けられているときは、その減速車線を通行しなければならない。」
分岐点・出入口付近での急ブレーキ
分岐点や出入口付近では、車線変更が多く、その影響でやむをえず急ブレーキをかけることも予想できます。
そのため、急ブレーキをかけた車の過失割合が小さくなります。
加速車線を十分に走行せず本線進入
本線を走行している車としては、進入しようとしている車は加速車線を走行しながら進入するタイミングをはかるものと予想するのが通常です。
そのため、進入車は、加速車線を十分に走行せずにすぐに進入して事故になった場合、過失割合が大きくなります。
道路交通法第75条の7第1項
「自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない。」
合流直前の急加速
加速車線から本線に進入して合流しようとしている車がある場合、本線を走行している車は、その合流直前に急加速をすると、過失割合が大きくなります。
停止表示器材の設置
高速道路では、故障などのために運転できなくなった場合、非常点滅表示灯(ハザードランプ)を点灯させるだけでは足りず、停止表示器材(赤色の三角板または紫色の点滅灯)を設置しなければなりません。
停止表示器材を設置した場合、過失割合は小さくなります、
道路交通法第75条の11第1項
「自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。」同法施行令第27条の6
「法第七十五条の十一第一項の規定による表示は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める停止表示器材を、後方から進行してくる自動車の運転者が見やすい位置に置いて行うものとする。
一 夜間 内閣府令で定める基準に適合する夜間用停止表示器材
二 夜間以外の時間 内閣府令で定める基準に適合する昼間用停止表示器材(当該自動車が停止している場所がトンネルの中その他視界が二百メートル以下である場所であるときは、前号に定める夜間用停止表示器材)」
駐車場の事故
駐車場の事故の場合、基本の過失割合を変化させる事情として、以下のものがあります。
なお、道路交通法は、公道のほか、一般交通の用に供する場所であれば、私有地でも適用されます。
そのため、駐車場には、一般交通の用に供する場所として道路交通法が適用されるものもあれば、適用されないものもあります。
とはいえ、いずれであったとしても、駐車場での守るべきルール(徐行義務、前方注視義務など)は運転慣行として相当程度に確立されているといえ、その運転慣行は道路交通法に準じたものと考えられます。
そこで、このような運転慣行に基づいて、過失割合を検討するべきと考えられます。
標識などに違反
駐車場では、管理者が、事故を防止するべく、標識や道路標示によって、通行を規制していることがあります。
そのような標識などに違反した場合は、過失割合が大きくなります。
徐行なし
車は、徐行(直ちに停止できる速度で進行)していなかった場合、過失割合が大きくなることがあります。
道路交通法第2条1項20号
「徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。」執務資料 道路交通法解説17訂版398頁(道路交通執務研究会 編著)
「時速に換算すると八キロメートル乃至一〇キロメートル毎時程度」
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