優先道路を直進する車と非優先道路から右折する車の事故の過失割合（信号機のない十字路交差点）

信号機のない交差点の交差する道路の一方が優先道路である場合、非優先道路走行車（右折車）は、優先道路走行車（直進車）の進行妨害をしてはならず、徐行しなければなりません（道路交通法第36条2項3項）。
また、右折車は直進車の進行を妨害してはなりません（同法第37条）。
そのため、基本の過失割合は「直進車：右折車＝10%：90%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、直進車が右折車の左から交差点に入った本事例では、右折車が事故の時点で右折を終えていたというケースがあります。そのようなケースでは、右折にかかる時間が長くなるので直進車としては回避行動がとりやすいこと、すでに右折を終えている右折車としては回避行動をとることが難しいことから、右折車の過失割合が小さくなります。

上で表示される数値（％）は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値（％）の根拠をご覧ください。

信号機のない交差点の交差する道路の一方が優先道路である場合、非優先道路走行車（右折車）は、優先道路走行車（直進車）の進行妨害をしてはならず、徐行しなければなりません（道路交通法第36条2項3項）。
また、右折車は直進車の進行を妨害してはなりません（同法第37条）。
そのため、基本の過失割合は「直進車：右折車＝10%：90%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、右折車は交差点の中央付近まで行かずに手前で右折した場合（ショートカット右折）、過失割合が大きくなります。なぜなら、直進車が右折車の右から交差点に入った本事例では、右折車がショートカット右折をすると事故の危険が高まるからです。
また、右折車は直進車よりも明らかに先に交差点に入った場合、過失割合が小さくなります。なぜなら、直進車が右折車の右から交差点に入った本事例は、両車が急に交差点に入ってきたために事故が起きる態様ですが、右折車が明らかに先に交差点に入ったのであれば、直進車の回避行動が期待されるからです。

実際の裁判例としては、名古屋地方裁判所の平成14年2月22日判決があります。
信号機のない十字路交差点で、優先道路を時速40～50km（制限速度は時速40km）で走行していた車が、交差点先の進路が工事中であったため、迷って左ウインカーを出したものの、交差点を直進しました。そのために、その左の道路の交差点手前で一時停止した車は、直進車の左ウインカーを確認し、右ウインカーを出して徐行しながら右折して交差点に入ったところ、直進車と衝突しました。
判決では、直進車が左ウインカーを点灯させて直進した過失を考慮し、直進車：右折車＝30%：70%と判断しました。

上で表示される数値（％）は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値（％）の根拠をご覧ください。