2021.09.24 更新

信号機のない十字路に狭路から入った車とその左の広路から入った車の事故の過失割合

信号機のない十字路に狭路から入った車とその左の広路から入った車の事故

このページでは、信号機のない十字路に、幅の狭い道路から入った車と、その明らかに幅の広い道路から入った車の事故の過失割合を調べることができます(上図の車の両方が単車(バイクまたは原付)であった場合も含みます)。

なお、一方の道路が優先道路または一時停止規制がある場合は、こちらのページではなく、優先道路または一時停止規制のページをご覧ください。交通事故の過失割合のページで質問に回答していくと、たどりつくことができます。

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事例No823 狭路車は直進、広路車も直進の事故

信号機のない十字路で狭路から直進する車とその左の広路から直進する車の事故

信号機のない十字路で狭路から直進する車とその左の広路から直進する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

狭路車 広路車
70 30
70 30

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

交差点の角に建物などが無く、お互いがよく見えましたか?
交差点には狭路車が明らかに先に入りましたか?
狭路車の速度は、広路車と比べてどれくらいでしたか?
狭路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
広路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

狭路から交差点に入る車は、徐行しなければならず、広路を通行する車の進行を妨害してはなりません(道路交通法第36条2項3項)。
そのため、基本の過失割合は「狭路車:広路車=70%:30%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、狭路車は、広路車よりも明らかに先に交差点に入った場合、過失割合は小さくなります。もっとも、狭路車がわずかに先に入ったような場合ではなく、明らかに先に入っていて、それゆえ広路車が容易に事故を回避できたといえる場合に限ります。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成15年12月25日判決があります。
見通しの悪い交差点に、車が、幅員8.1mの広路から時速30kmで直進して入ったところ、その右の幅員5.8mの狭路から時速20kmで直進して入ってきた車と衝突した事故で、狭路車:広路車=70%:30%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No824 狭路車は直進、広路車は右折の事故

信号機のない十字路で狭路から直進する車とその左の広路から右折する車の事故

信号機のない十字路で狭路から直進する車とその左の広路から右折する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

狭路車 広路車
60 40
60 40

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

狭路車は減速して交差点に入りましたか?
狭路車は時速30km以上の速度違反がありましたか?
狭路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
広路車は減速して交差点に入りましたか?
広路車は右折禁止違反でしたか?
広路車は交差点の中央付近まで行かずに手前で右折しましたか(ショートカット右折)?
早回り右折
広路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

狭路から交差点に入る車は、徐行しなければならず、広路を通行する車の進行を妨害してはなりません(道路交通法第36条2項3項)。
他方、右折車は、直進車の進行を妨害してはなりません(同法第37条)。
そのため、基本の過失割合は「狭路車:広路車=60%:40%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、狭路車は減速して交差点に入った場合、過失割合が小さくなります。その減速の程度は、交通の状況にもよりますが、多くの場合、制限速度の半分以下くらいと考えられます。
また、広路車も減速して交差点に入った場合、過失割合が小さくなります。右折は交通の状況によっては、多少の速度を出すことが必要な場面もありえますので、必ずしも直ちに停止できる徐行でなくても、右折のタイミングが適していることを前提に、十分な減速がなされていれば過失割合は小さくなると考えられます。
これらの減速の程度については、微妙かつ専門的な判断が必要ですので、弁護士に相談することをおすすめします。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第36条2項3項
「2 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない
3 車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。」(*太字引用者)
「注解 交通損害賠償算定基準 下巻 三訂版」(損害賠償算定基準研究会編、ぎょうせい)107頁
「狭路車は広路に入るために徐行しなければならない(道交法36条3項)。また、広路車の進行妨害もしてはならない(道交法36条2項)とし、広路車が直進車であるか右折車であるかについては、道交法上は区別していない。その意味では、常に狭路車は劣後に置かれることになる。」

事例No825 狭路車は右折、広路車は直進の事故

信号機のない十字路で狭路から右折する車とその左の広路から直進する車の事故

信号機のない十字路で狭路から右折する車とその左の広路から直進する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

狭路車 広路車
80 20
80 20

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

広路車は減速して交差点に入りましたか?
広路車は時速30km以上の速度違反がありましたか?
広路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
狭路車は減速して交差点に入りましたか?
狭路車は右折禁止違反でしたか?
狭路車は事故の時点では右折を終えていましたか(ハンドルをまっすぐに戻していましたか)?
狭路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

狭路から交差点に入る車は、徐行しなければならず、広路を通行する車の進行を妨害してはなりません(広路優先、道路交通法第36条2項3項)。
さらに、右折車は、直進車の進行を妨害してはなりません(直進優先、同法第37条)。
そのため、基本の過失割合は「狭路車:広路車=80%:20%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、広路車は減速して交差点に入った場合、過失割合が小さくなります。その減速の程度は、交通の状況にもよりますが、多くの場合、制限速度の半分以下くらいと考えられます。
また、狭路車も減速して交差点に入った場合、過失割合が小さくなります。右折は交通の状況によっては、多少の速度を出すことが必要な場面もありえますので、必ずしも直ちに停止できる徐行でなくても、右折のタイミングが適していることを前提に、十分な減速がなされていれば過失割合は小さくなると考えられます。
これらの減速の程度については、微妙かつ専門的な判断が必要ですので、弁護士に相談することをおすすめします。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No826 狭路車は右折、広路車も右折の事故

信号機のない十字路で狭路から右折する車とその左の広路から右折する車の事故

信号機のない十字路で狭路から右折する車とその左の広路から右折する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

狭路車 広路車
70 30
70 30

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

広路車は右折禁止違反でしたか?
広路車は、減速なし、ウインカーなどの右折の合図なし、交差点の中央付近まで行かずに手前で右折(下図、ショートカット右折)のいずれかでしたか?
早回り右折
広路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
狭路車は右折禁止違反でしたか?
狭路車は、減速なし、ウインカーなどの右折の合図なし、道路の中央に寄らずに右折(右折レーンのある道路の場合は右折レーン以外のレーンから右折。下図)のいずれかでしたか?
中央に寄らないで右折
狭路車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

狭路から交差点に入る車は、徐行しなければならず、広路を通行する車の進行を妨害してはなりません(広路優先、道路交通法第36条2項3項)。
そのため、基本の過失割合は「狭路車:広路車=70%:30%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、右折禁止に違反した場合は過失割合が大きくなります。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。