2021.09.24 更新

高速道路の合流地点での事故の過失割合(四輪自動車同士またはバイク同士の事故)

このページでは、高速道路の合流地点で、合流してきた車と本線を走行していた車の事故の過失割合を調べることができます。

過失割合TOPページへ

事例No873 合流地点の事故

高速道路の合流地点での合流車と本線車の事故

高速道路の合流地点での合流車と本線車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図の車の両方がバイクであった場合も含みます)。

過失割合

本線車 合流車
30 70
30 70

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

本線車は時速40km以上の速度違反でしたか?
合流の直前に本線車は急加速しましたか?
本線車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
合流車は制限速度の60%以上の速度が出ていましたか?
合流車は加速車線を十分に走行しないですぐに本線に進入しましたか?
合流車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

合流車は、加速車線から本線に入ろうとするときは、本線車の進行妨害をしてはなりません(道路交通法第75条の6第1項本文)。
もっとも、本線車も、加速車線がある場所では、合流を予想できます。
そのため、基本の過失割合は「本線車:合流車=30%:70%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。

たとえば、合流の直前に本線車が急加速した場合、本線車の過失割合が大きくなります。本線車が、合流の前にある程度の余裕をもって加速して合流車よりも先に行こうとすることはよくありますが、そうではなく、合流のまさに直前に加速をすることは危険の大きい行為といえるからです。

また、合流車は制限速度の60%以上の速度が出ていなかった場合、過失割合が大きくなります。なぜなら、十分な加速をせずに高速道路に合流することは、本線を高速で走っている車との関係で危険だからです。ただし、本線車の速度などによっては、最低限出すべき速度が変わる可能性があります。

さらに、合流車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかであった場合も、過失割合が大きくなります。加えて、制限速度の60%以上の速度が出ていなかった場合に、重ねて過失割合を大きくするかしないかについては見解が分かれています。

なお、上の質問に含まれてはいませんが、加速車線の終端付近での事故の場合、本線車の過失割合が大きくすべきとの見解もあります。合流車としてはすぐに合流するしかないので、本線車が減速・加速・斜線変更などをして譲るべきと考えられるためです。もっとも、本線の交通の状況にもよるものと思われます。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成6年10月26日判決があります。
高速道路の合流地点での大型貨物自動車同士の事故でした。合流車は、時速40kmで本線に進入し、時速60kmまで加速しましたが、後方から時速100kmで走行してきた本線車に追突されました。本線車は、合流車が前方約4.5mまで迫った地点で、初めて、合流車に気づきました。制限速度は時速80kmでした。
判決では、合流車の加速不十分、本線車の速度違反と著しい前方不注視などが考慮されて、本線車:合流車=40%:60%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第75条の6第1項本文
「自動車(緊急自動車を除く。)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る。)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。