2021.09.24 更新

高速道路で車から落ちた物による事故の過失割合

このページでは、四輪自動車同士またはバイク同士の事故のうち、高速道路で車から落ちた物のために、後続の車が事故に遭った場合の過失割合を調べることができます。

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事例No888 落下物による事故

高速道路で車から落ちた物のために後続車が事故に遭った場合

高速道路で車から落ちた物のために後続車が事故に遭った場合の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図の車の両方がバイクであった場合も含みます)。

過失割合

後続車 物を落とした車
40 60
40 60

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

夜間や濃霧、雨などのために視界が不良でしたか?
追越車線(最も右側の車線)でしたか?
バイク同士の事故でしたか?
後続車は時速40km以上の速度違反でしたか?
後続車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
物を落とした車の積載方法がずさんでしたか?

過失割合の解説

車は、一般道路でも高速道路でも、貨物の転落を防止する義務を負います(道路交通法第71条4号)。必要に応じて、貨物に縄をかけたり、荷台にシートをかぶせたり、スペアタイヤがあればその積載装置を点検したりしなければなりません。
さらに、高速道路では、貨物の積載状態を点検する義務も負います(同法第75条の10)。高速道路では車は高速で走行するので、物を落とすと危険が大きいことから、高速道路に入る前にはあらためて点検をしなければなりません。
他方、後続車も、前方を注視して走行しなければなりません。
そのため、基本の過失割合は「後続車:物を落とした車=40%:60%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、物を落とした車は、積載方法がずさんであった場合、過失割合が大きくなります。
また、上の質問に含まれてはいませんが、物を落とすような乱暴な運転であったり、物を落とした後に何らの対応も取らなかったりした場合も、物を落とした車の過失割合が大きくなる可能性があります。

実際の裁判例としては、岡山地方裁判所津山支部の平成4年12月16日判決があります。
大型貨物自動車が高速自動車国道の走行車線(第1車線)を時速約100kmで走行中、積荷である寸法1.2×0.8×0.5メートル、重量約60kgの鉄製空コンテナーが落下し、追越車線上に転がりました。落下の原因は、積荷を固定していたロープが切損したためでした。
普通乗用自動車は、追越車線(第2車線)を走行中、前方約44.3mの地点に不審を感じ、前方約26.1mの地点でコンテナーに気付き、急ブレーキをかけましたが、コンテナーに衝突しました。
この事故は4月25日午後7時30分頃に発生し、当時の道路は閑散としていました。
判決では、普通乗用自動車は、事故直後の滑走距離を考えると制限速度に違反していたといえること、見通し可能な80mの地点でコンテナーに気が付けば、衝突直前での停止も可能であるか、少なくともほぼ停止寸前の状態までの減速が可能であったと考えられることを理由に、過失があるとされました。しかし、前記の寸法と重量を有する鉄製コンテナーという危険物が夜間の高速道路、しかも、追越車線上に転がったもので、普通乗用自動車は追越車線を走行中であったたことが考慮され、普通乗用自動車:大型貨物自動車=10%:90%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第71条4号
「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
四 乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。」

同法第75条の10
「自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。」

このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。