2021.07.07 更新

交差点で左端に寄らずに左折した車と後続する直進車の事故の過失割合(四輪自動車同士または単車同士の事故)

このページでは、交差点で左折する前に道路左端に寄らずにいきなり左折をした車と後続する直進車の事故の過失割合を調べることができます。

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事例No739 左端に寄らずに左折した車と後続直進車の事故

交差点で左端に寄らずに左折した車と後続する車の事故

交差点であらかじめ道路左端に寄ることなく左折した車と後続の直進車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図の車の両方が単車(バイクまたは原付)であった場合も含みます)。

過失割合

後続車 左折車
20 80
20 80

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

後続車は時速30km以上の速度違反でしたか?
後続車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
左折車はウインカーなどで左折の合図をしましたか?
左折車は減速しましたか?
左折車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
左折車が道路左端に寄らずに左折したのは、進入路が鋭角(下図)のためですか?
左折進入路鋭角

過失割合の解説

車は、左折するときはあらかじめ道路の左端に寄らなければなりません(道路交通法第34条1項)。あらかじめ左端に寄ることなく、いきなり左折をすると、その左折を後続車が予測することは困難です。
そのため、基本の過失割合は「後続車:左折車=20%:80%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化することがあります。

たとえば、酒気帯び運転の場合、過失割合が大きくなります(同法第65条)。

また、左折車が道路の左端に寄らずに左折したのは、進入路が鋭角であったり、進入路が狭かったり、左折車の車長が長かったりしたためである場合も、左折車の過失割合が小さくなる可能性があります。
もっとも、車線の通行区分に違反したことを理由に左折車の過失割合を小さくしなかった裁判例に、東京地方裁判所の平成24年1月18日判決があります。
車長11.99m・車幅2.49mの大型貨物自動車が、交差点の50~100m手前の地点でブレーキをかけて減速し、まず右ウインカーを点滅させて第1車線から第2車線に進路変更をし、その後に交差点入口手前で左ウインカーを点滅させて、本件道路と鋭角で交差する狭い左の道路へ向けて左折を開始したところ、第2車線を時速60kmで走行してきた後続車と衝突しました。第1車線は左折と直進、第2車線は直進と右折の通行区分がされていました。
判決では、車長が長いことや進入路が鋭角であることは、車線の通行区分を守らないやむをえない理由とはいえないとして、車線の通行区分に違反した点を重視し、左折車の過失割合を小さくしませんでした。

ほかにも、左折車はウインカーなどで左折の合図をしていない場合には、過失割合が大きくなります。なお、上の質問には含まれていませんが、合図が遅れた場合も、過失割合を少し大きくするべきです。

同じく、上の質問には含まれていませんが、左折車は後続車がすぐ後ろに迫っているときに左折した場合も過失割合を大きくするべきです。

もっとも、そのように過失割合を大きくするのは、合図がどの程度遅れた場合か、後続車がどの程度後ろに迫っていた場合かが問題となり、専門的な判断が必要になります。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第65条
「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」

なお、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上の場合は刑罰が科される可能性がありますが、上の質問中の基本の過失割合を大きく変化させる酒気帯びについては、刑罰が科される基準以下の場合も該当します。

道路交通法第117の2の2第3号
「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
三 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。