2021.09.24 更新

一般道での駐停車中の追突事故の過失割合(四輪自動車同士または単車同士の事故)

このページでは、四輪自動車同士または単車同士の事故のうち、一般道で駐停車中に追突された事故の過失割合を調べることができます。

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事例No857 駐停車中の追突事故

一般道での駐停車中の追突事故

一般道での駐停車中の追突事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図の車の両方が単車(バイクまたは原付)であった場合も含みます)。

過失割合

駐停車中の車 追突車
0 100
0 100

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

駐停車中の車は、坂の頂上付近やトンネルなどの駐停車禁止場所(下記解説を参照)で駐停車していましたか?
駐停車中の車は、道路の左側端に駐停車していましたか?
夜間で街灯が少ない、濃霧、雨などのために前方が見づらい状況でしたか?
追突車は時速30km以上の速度違反がありましたか?
追突車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

駐停車中の車は動いていないので、基本的には事故を起こす危険がありません。
そのため、基本の過失割合は「駐停車中の車:追突車=0%:100%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。

たとえば、駐停車中の車は、駐停車禁止場所に駐停車していた場合、過失割合が大きくなります。
駐停車禁止場所は、以下のとおりです(同法第44条、第45条)。

<駐車も停車も禁止される場所(同法第44条)>

  1. 標識などで駐停車禁止とされている場所
  2. トンネル
  3. 坂道(頂上付近と勾配が急な場所に限ります)
  4. 交差点とその端から5m以内
  5. 道路の曲がり角から5m以内
  6. 横断歩道、自転車横断帯とその端から前後5m以内
  7. 踏切とその端から前後10m以内
  8. 安全地帯の左側とその前後10m以内
  9. バス、路面電車の停留所の標示板から10m以内(運行時間中に限ります)
  10. 軌道敷内(=路面電車の走行する場所)

<駐車のみ禁止される場所(同法第45条)>

  1. 標識などで駐車禁止とされている場所
  2. 駐車場や車庫などの自動車用の出入口から3m以内
  3. 道路工事区域の端から5m以内
  4. 消防用機械器具の置場、消防用防火水そう、これらの道路に接する出入口から5m以内
  5. 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置や消防用防火水そうの取り入れ口から5m以内
  6. 火災報知機から1m以内

駐車とは、具体的には以下の状態のことです(道路交通法第2条1項18号)。

  1. 客待ち・荷待ち・故障などのための継続的な停止
  2. 貨物の積卸しのための5分以上の停止
  3. 運転者が車を離れていてすぐに運転できない状態

1の「継続的な停止」については、停止時間の長さのみならず、ある程度長く停止する意思があったかによって判断されます(5分が目安にはなりえます)。

停車とは、具体的には以下の状態のことです(同法第2条1項19号)。

  1. 人の乗降のための停止
  2. 貨物の積卸しのための5分を超えない停止
  3. 運転者が車を離れておらずすぐに運転できる状態(駐車の1を除く)

また、駐停車中の車は、道路の左側端以外に駐停車していた場合、過失割合が大きくなります(道路交通法第47条参照)。もっとも、故障などのやむをえない理由があって、左側端以外に駐停車していた場合は、過失割合が大きくなりません。

さらに、夜間で街灯が少ない、濃霧、雨などのために前方が見づらい状況の場合、追突車の過失割合が小さくなります。この場合の「前方が見づらい」とは、視界が50m以下をいいます(同法第52条1項、同法施行令第18条、第19条)。
さらに、駐停車中の車は、ハザードランプなどを点灯していなかった場合、過失割合が大きくなります。なお、前方が見づらい状況ではなくても、駐停車中の車は、ハザードランプなどを点灯しなかった場合、過失割合が大きくなるとする見解もあります。

ほかにも、上の質問に含まれてはいませんが、駐停車中の車は、自ら招いた事故のために駐停車していた場合や、やむをえない理由もなく車を放置していた場合も、過失割合が大きくなります。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成12年3月3日判決があります。
事故現場は、片側2車線の歩車道の区別のある見通しのよい道路で、A交差点から西へ約300m付近の駐車禁止場所でした。X車は、A交差点を右折して本件道路を約300m西進し、第1車線をほぼ塞ぐ形で歩道寄りに駐車していたY車に追突しました。
判決では、Y車が駐車禁止場所に第1車線をほぼ塞ぐ形で駐車していたことが事故発生の一端を担っているといえるから、Y車の過失は肯定できるものの、事故現場は、X車が右折したA交差点から約300mは離れており、その間は見通しのよい直線道路であるから、事故発生時が11月下旬の午後6時10分ころの薄暮であったことを考慮しても、事故発生の原因の大半はX車の前方不注視にあるというほかないとして、X車:Y車=80%:20%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

(停車又は駐車の方法)
道路交通法第47条
「車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
2 車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
3 車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。