2021.09.24 更新

進路変更車と後続する直進車の事故の過失割合(四輪自動車同士または単車同士の事故)

このページでは、四輪自動車同士または単車同士の事故のうち、進路を変更する先行車と、後続の直進車の事故の過失割合を調べることができます。

過失割合TOPページへ

事例No744 進路変更車と後続直進車の事故

進路変更する先行車と後続の直進車の事故

進路変更する先行車と後続の直進車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(後続車が上図の赤い車のどちらかであった場合です。上図の青い車と赤い車の両方が単車(バイクまたは原付)であった場合も含みます。交差点の場合も含みます)。

過失割合

後続直進車 進路変更車
30 70
30 70

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

後続直進車は、初心者マーク、シルバーマーク、身体障がい者標識でしたか?
後続直進車はゼブラゾーンを走行していましたか(下図)?
ゼブラゾーンを走行する車
後続直進車は時速30km以上の速度違反をしていましたか?
後続直進車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
進路変更車はオレンジ色の車線を越えて進路変更しましたか?
進路変更車はウインカーなどで進路変更の合図をしましたか?
進路変更車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は、後続車の速度や方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはなりません(道路交通法第26条の2第2項)。
そのため、基本の過失割合は「後続直進車:進路変更車=30%:70%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、オレンジ色の車線は進路変更が禁止されているので、進路変更車の過失割合が大きくなります。もっとも、救急車を避けるなどの例外的に進路変更が許される場合を除きます(同法第26条の2第3項)。

実際の裁判例としては、東京地方裁判所の平成21年3月16日判決があります。
片側3車線の道路の第2車線を走行していたA車は、前方の第3車線を走行していたB車が車線変更してくる気配がなかったことから、その左側を通り抜けようとしました。そのとき、B車は、前方の工事を見て、第2車線に車線変更しようと思い、斜め後方3~4mにA車が走行していたことを確認して、第2車線への車線変更を開始しました。その車線変更の途中で、B車は、前方に停止中の車を発見したため、急ブレーキをかけたところ、A車と接触しました。
判決では、B車は、車線変更の合図をしているものの、A車が衝突を回避できるようなタイミングでなされたとはいえず、B車に格別に有利にしんしゃくすることはできないこと、また、車線変更の途中であるにもかかわらず、急ブレーキをかけており、その危険性は軽視できないことから、A車:B車=10%:90%と判断されました。
車線変更の合図が十分とはいえない点と、急ブレーキの点が、個別の事情として考慮されています。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第26条の2
「車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
2 車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
3 車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。
一 第四十条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
二 第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。」
同法第40条
「交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
2 前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。