2023.03.01 更新

急ブレーキによる追突事故の過失割合(四輪自動車同士または単車同士の事故)

このページでは、四輪自動車同士または単車同士の事故のうち、先行する車が急ブレーキをかけたために、後続の車が追突した事故の過失割合を調べることができます。

その他の事故の過失割合を調べたい方は、過失割合トップページへ(422の事例の過失割合をご紹介しています)。

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事例No746 急ブレーキによる追突事故

先行車が急ブレーキをかけたために後続車に追突された事故

先行車が急ブレーキをかけたために後続車に追突された事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図の車の両方が単車(バイクまたは原付)であった場合も含みます。交差点の場合も含みます)。

過失割合

先行車 後続車
25 75
25 75

下の質問に回答していくと、上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩道のある片側2車線以上の道路でしたか?
先行車のブレーキランプ(ブレーキをかけたときに光る後部の灯火)の故障はありましたか?
先行車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?
後続車は時速30km以上の速度違反をしていましたか?
後続車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

後続車は、先行車が急ブレーキをかけたときでも、追突を避けられる車間距離をとらなくてはなりません(道路交通法第26条)。
そのため、後続車の過失割合は大きくなります。
他方、先行車は、歩行者や自転車が直前に飛び出してきたとか、障害物を直前で発見したなどの危険防止のためのやむをえない場合を除き、急ブレーキをかけてはいけません(道路交通法第24条)。
そのようなやむをえない場合でなければ、先行車にも過失割合があることになります。
具体的には、基本の過失割合は「先行車:後続車=25%:75%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、歩行者や自転車が直前に飛び出してきたり、障害物を直前で発見したりしたために、先行車が危険防止のためにやむをえず急ブレーキをかけた場合、先行車の過失割合は大きくなります。

実際の裁判例としては、東京地方裁判所の平成22年3月2日判決があります。
交差点の手前で赤信号に従い、右折用ウインカーを出して停止をしていた普通乗用自動車は、信号が青に変わっても、直ちに発進しなかったため、後続のタクシーにクラクションを鳴らされました。そこで、普通乗用自動車は、右折をやめて、交差点を直進しましたが、速度が落ち、車間距離が狭まったため、再び、タクシーにクラクションを鳴らされました。そして、普通乗用自動車もタクシーも、時速20km前後で、交差点を直進して通過し、交差点の先の道路を進行しました。普通乗用自動車は、タクシーからクラクションを鳴らされたこともあり、後方をサイドミラーで見ているうちに、その先の右折をしようと考えていた交差点に達したため、あわててブレーキをかけました。タクシーは、車間距離が4~5mにも満たない状態で進行していたため、普通乗用自動車に追突しました。
判決では、普通乗用自動車が時速20km程度で走行していたのであるから、その停止が急ブレーキとまではいえない点が考慮され、普通乗用自動車:タクシー=20%:80%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第24条
「車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。」
同法第26条
「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。」

【このページの事例とは異なる事故の過失割合を調べたい方はこちら】
このページの事例は「四輪自動車同士または単車同士」「急ブレーキによる追突」の事故です。

そのほかの事故の場合は、過失割合TOPページから質問に答えていくと、あてはまる事故のページにたどり着くことができます。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴16年、交通事故の相談を900件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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