2021.09.24 更新

高速道路の路肩で停止中の追突事故の過失割合

このページでは、四輪自動車同士またはバイク同士の事故のうち、高速道路の路肩で停止していた車が後続車から追突された事故の過失割合を調べることができます。

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事例No878 路肩での追突事故

高速道路の路肩で停止中の追突事故

高速道路の路肩で停止中の追突事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図の車の両方がバイクであった場合も含みます)。

過失割合

追突された車 追突した車
0 100
0 100

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

雨、濃霧、夜間などのために視界が不良でしたか?
追突された車は停止表示器材(下図のいずれか)を設置していましたか?
停止表示器材
追突された車は、停止中、道路左端の白線を越えて本線にはみ出していましたか?
追突された車が停止していたのは、故障などのやむをえない理由がありましたか?
追突した車は時速40km以上の速度違反でしたか?
追突した車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

道路左端の白線より左側(路肩または路側帯)は、原則として車の通行が禁止されています(道路交通法第17条1項)。
そのため、基本の過失割合は「追突された車:追突した車=0%:100%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、追突された車は、故障などのやむをえない理由がなく停止していた場合、過失割合が大きくなります。なぜなら、高速道路では、やむをえない理由がない場合、停止することはできないからです(道路交通法第75条の8本文1項第2号)。故障以外のやむをえない場合としては、ガソリン切れ、ラジエーターの水切れ、エンジンの過熱(オイル切れ)、降雪時のワイパーの作動不良、タイヤ交換、チェーン装着、運転者の過労や便意などが考えられます。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成26年9月30日判決があります。
冬の明け方5時台のまだ暗く視認状況が不良の高速道路を走行していたA車は、車のライトが消え、エンジン音やアクセルにも異常が認められたことから、路肩に入って停止しましたが、車体の右半分以上が本線にはみ出していました。A車は、ハザードランプを点灯したのみで停止していました。そうしていたところ、時速70kmで第1車線を走行してきたB車に追突されました。夜間の制限速度は時速50kmでした。
判決では、A車が車体の右半分以上が本線にはみ出していたこと、停止表示器材を設置していないこと、B車が時速20kmの速度超過をしていたことなどが考慮され、A車:B車=20%:80%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは四輪自動車同士または単車同士の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第75条の8本文1項第2号(抜粋)
「自動車は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。」
執務資料道路交通法開設17訂版878頁(道路交通執務研究会編著、東京法令出版)
「故障は例示であり、その他の理由としては、ガソリン切れ、ラジエーターの水切れ、エンジンの過熱(オイル切れ)、運転者の過労等により物理的に運行できなくなった場合はもとより、降雪時のワイパーの作動不良や便意を催した場合等、サービスエリアまで相当距離があるためそのまま運転を継続すれば、交通の危険を生じさせるおそれがあり、停車し又は駐車することがやむを得ない場合をいう。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。