2021.07.07 更新

車道で寝ていた人と車の事故の過失割合

車道で寝ていた人と車の事故

このページでは、歩行者が車道で寝ていたり、座り込んだりしていたところ、車によって被害に遭った事故の過失割合を調べることができます(上図の車がバイクや原付であった場合も含みます)。

弁護士

歩行者が寝ていた場所は次のいずれですか?(車道の端から1m以内の場合、歩道はありましたか?)

車は、前方に障害物などがないかを常に注意して走行する必要があります。そのため、人が寝ている場合であっても、それを発見して事故を回避しなければなりません。
特に12歳以下の子どもは、道路でも横になったり寝てしまったりすることがあります。また、大人と比べて交通弱者といえます。
そのため、12歳以下の子どもが被害者の場合、車の過失割合は大きくなります。
なお、高齢者や身体障害者の場合も同様に車の過失割合を大きくするべきとの見解があります。

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事例No163 車道の端から1m以上離れた場所で寝ていた歩行者と車の事故

車道の端から1m以上離れた場所で寝ていた歩行者と車の事故

車道の端から1m以上離れた場所で寝ていた歩行者と車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
30 70
30 70

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩道のある片側2車線(両側4車線)以上の道路でしたか?
夜(日没~日の出)でしたか?
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下でしたか?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩行者は、歩道から離れた車道中央寄りに寝ており、その危険は大きいといえます。
もっとも、車は他者に与える危険の大きい乗り物であり、特に歩行者には注意して運転をすべきといえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=30%:70%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成9年2月25日判決があります。
事故現場は、東西に通ずる片側1車線の国道で、車道の幅は約8.8m、北側の歩道の幅は2.5m、南側の路側帯の幅は0.7mでした。最高速度は時速50kmに規制されていました。前方の見通しはよいのですが、事故当時(深夜)の現場付近の明るさはやや暗い状況でした。
A車の運転者は、午後8時過ぎころ水割2杯程度を飲み、翌日の午前0時55分ころ、A車を運転して時速40~50kmで現場道路の東行車線を直進していました。前方に軽四輪自動車、そのさらに前にタクシーが走行しており、軽四輪に車間距離約7.5mのところまで追いつきました。タクシー運転者は、車道の端から約3mの地点で転倒した歩行者を約16m手前で発見し、右側方を通過して轢過を回避し、軽四輪の運転者は、転倒した歩行者を約13m手前で発見し、左に進路変更し減速してその左側方を通過して轢過を回避しました。A車の運転者は、タクシーが前方約47.7mで右に進路変更したのを確認した後も、軽四輪の後ろを車間距離約7.5mのまま時速30~40kmで走行し続けました。その後、軽四輪が左に進路変更して急に減速し、車間距離が約4.6mに縮まったので、右にハンドルを切って軽四輪との衝突を避けて進行したところ、倒れていた歩行者を轢過しました。
このように、A車の運転者からは、歩行者が道路を横断し、転倒するまでの見通しは、先行する軽四輪が視野を妨げたこともあって著しく困難でした。
判決では、深夜であったこと、車道幅が9m近くもある国道であったこと、A車が十分な車間距離をとっていなかったことなどが考慮され、歩行者:A車=50%:50%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No164 車道の端から1m以内で寝ていた歩行者と車の事故(歩道あり)

歩道のある道路の車道の端から1m以内で寝ていた歩行者と車の事故

歩道のある道路の車道の端から1m以内で寝ていた歩行者と車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
20 80
20 80

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩道のある片側2車線(両側4車線)以上の道路でしたか?
夜(日没~日の出)でしたか?
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下でしたか?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

車は、歩道と車道の区別がある道路では、歩行者は歩道にいると想定しています。もっとも、車道上ではあっても歩道の近くでは、歩道から人が出てきていないかを注意するべきといえます。
また、車は他者に与える危険の大きい乗り物であり、特に歩行者には注意して運転をすべきといえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=20%:80%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No165 車道の端から1m以内で寝ていた歩行者と車の事故(歩道なし)

歩道のない道路の車道の端から1m以内で寝ていた歩行者と車の事故

歩道のない道路の車道の端から1m以内で寝ていた歩行者と車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
5 95
5 95

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は12歳以下でしたか?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩道の無い道路では、道路の端に歩行者がいる可能性は常にあります。そのため、車は、そのような歩行者がいないかを注意していなければなりません。
また、車は他者に与える危険の大きい乗り物であり、特に歩行者には注意して運転をすべきといえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=5%:95%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。