大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴18年、交通事故の相談を1000件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。
信号機のない交差点に同じ道路から入った自転車と左折車の事故の過失割合
更新日:2023年03月01日
このページでは、信号機のない交差点に同じ道路から入った自転車と左折車の事故の過失割合を調べることができます(上図の車がバイクまたは原付の場合も含みます)。
- 交差点の手前30m以内の車の動きを次の中から選んでください
【このページの事例とは異なる事故の過失割合を調べたい方はこちら】
このページの事例は「自転車と車」「自転車と車が同じ道路から交差点に入った」「車は左折」「信号機なし」の事故です。
- 交差点でない場合
交差点以外の道路を横断中の自転車と車の事故(信号機なし)の過失割合 - 車は右折した場合
信号機のない交差点に同じ道路から入った自転車と右折車の事故の過失割合
そのほかの事故の場合は、過失割合TOPページから質問に答えていくと、あてはまる事故のページにたどり着くことができます。
事例No284 自転車に先行する車が左折したときの事故
信号機のない交差点で左折した先行車と自転車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。
過失割合
自転車 | 車 |
---|---|
10 | 90 |
10 | 90 |
下の質問に回答していくと、上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。
過失割合の解説
車は、左折するときは、できるかぎり左側端に寄り、道路の左側端に沿って徐行しなければなりません(道路交通法第34条1項)。
他方、自転車は、エンジンがなく、免許が不要で、年少者も運転しています。車に比べると危険の少ない乗り物ですし、歩行者に準じて保護されるべきといえます。
そのため、基本の過失割合は「自転車:車=10%:90%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、車は、左折するにあたって減速していなかった場合、過失割合が大きくなります。
また、上の質問に含まれてはいませんが、車は、自転車が直後に迫っているのを見落としていた場合、過失割合が大きくなる可能性があります。
実際の裁判例としては、東京地方裁判所の平成12年12月15日判決があります。
普通貨物自動車(ゴミ収集車)の運転者は、担当地区での可燃物ゴミの収集を終え、清掃工場に向かう途中でした。道路の第1車線上を、前車に続いて走行していましたが、渋滞のために発進と停止を繰り返していました。交差点で左折するため、相当手前で左折のウインカーを出していました。交差点の手前で左前方のカーブミラーを視認し、歩行者等がいなかったのでそのまま進行しました。そして、左ハンドルを切り始め、左方向に時速約10kmの速度で進行しながらカーブミラーを一瞬確認するとともに、助手席側の窓から左後方の状況を確認し、更に右前方の歩行者等の確認をしましたが、自車のサイドミラーによる左後方確認は全く行わず、そのまま左折進行しました。一方、自転車は、貨物普通自動車と同じ方向の道路から交差点の横断歩道に、相当な速度で入ったところ、普通貨物自動車との衝突の危険を感じ、急ブレーキをかけましたが間に合わず、普通貨物自動車と衝突しました。
判決では、横断歩道が自転車通行可能な歩道を繋ぐものであったこと、車がカーブミラーやサイドミラーを使った十分な視認を行わず、時速約10kmの速度で漫然と左折進行したこと、自転車が相当な速度で直進していたことなどが考慮されて、自転車:普通貨物自動車=5%:95%と判断されました。
上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは自転車と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。
道路交通法第34条1項
「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。」
事例No285 車が自転車を追い越して左折したときの事故
信号機のない交差点の手前で自転車を追い越して、交差点を左折した車と、自転車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。
過失割合
自転車 | 車 |
---|---|
0 | 100 |
0 | 100 |
下の質問に回答していくと、上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。
過失割合の解説
車は、左折するときは、できるかぎり左側端に寄り、道路の左側端に沿って徐行しなければなりません(道路交通法第34条1項)。
しかし、本事例では、車は、自転車を追い越した後に左折するという危険な動きをしています。
また、自転車は、エンジンがなく、免許が不要で、年少者も運転しています。車に比べると危険の少ない乗り物ですし、歩行者に準じて保護されるべきといえます。
そのため、基本の過失割合は「自転車:車=0%:100%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります(車の基本の過失割合が100%のため、車の過失割合を大きくする事情の場合は変化しないことがあります)。
たとえば、自転車は、酒酔い運転や酒気帯び運転をしていた場合、過失割合が大きくなります。
また、車は、ウインカーなど右折の合図をしなかった場合、過失割合が大きくなります。また、合図が遅れたために、合図の意味がなかったような場合も、過失割合が大きくなる可能性があります。
上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは自転車と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。
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