2021.09.24 更新

横断歩道から50m以上離れた片側2車線以上の道路を横断中の歩行者と車の事故の過失割合(交差点のすぐ近く)

横断歩道から50m以上離れた片側2車線以上の交差点すぐ近くの道路を横断中の歩行者と車の事故

このページでは、歩行者が、すぐ近くに交差点はあるけれど横断歩道からは50m以上離れた片側2車線以上の道路を横断していたところ、車によって被害に遭った事故の過失割合を調べることができます(上図のいずれかの歩行者といずれかの車の事故です。上図の車がバイクや原付であった場合も含みます)。

弁護士

車は直進していましたか、右折または左折していましたか?

歩行者は付近に横断歩道がある場合は横断歩道によって横断しなければなりません。
しかし、本事例では50m以内に横断歩道が無いため、付近に横断歩道がある場合とは言い難く、横断歩道によらずに横断していたことをもって、歩行者に過失割合があるとはいえません。
とはいえ、車の通行量の多い片側2車線以上の道路ですので、その横断にあたっては、歩行者も相応の注意をすることが求められます。
他方、車は、横断歩道の無い交差点では、歩行者の横断を妨げてはなりません。

道路交通法第38条の2
「車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。」

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事例No106 道路横断中の歩行者と直進する車の事故

横断歩道から50m以上離れた片側2車線以上の交差点すぐ近くの道路を横断中の歩行者と直進する車の事故

横断歩道から50m以上離れた片側2車線以上の交差点すぐ近くの道路を横断中の歩行者と直進する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
20 80
20 80

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
横断禁止場所でしたか?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩行者は、車の交通量の多い片側2車線以上の道路を横断するにあたっては、十分に注意をする必要があります。
とはいえ、50m以内に横断歩道が無いので、歩行者が横断歩道によらずに横断していても、歩行者の過失割合は大きくなりません。
また、車は、交差点内を通行するときは、道路を横断する歩行者に特に注意をしなければなりません(道路交通法第36条4項)。
さらに、歩行者は車に対して交通弱者といえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=20%:80%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

実際の裁判例としては、名古屋地方裁判所の平成2年1月12日判決があります。
9月上旬の午後9時ころ、車は、時速約50kmの速度で道路の第2車線を南進していたところ、交通閑散であったことに気を許し、遠方の交差点の信号に気を奪われ、進路右方と前方の安全を確認しないで、交差点に進行しました。一方、歩行者は、交差点を西から横断してセンターライン付近にさしかかった際、北から接近してくる車を発見し、やりすごそうとしましたが、センターラインより1m足らず入り込んだ地点に立ち止まってしまいました。車の運転者は、センターライン付近まで横断していた歩行者を前方約6.6mに迫ってはじめて発見し、急ブレーキをかけましたが間に合わず、車は歩行者と衝突しました。
判決では、歩行者にも、夜間に幹線道路を横断する際にセンターラインより車の走行車線上に入って佇立していたという過失があることが考慮され、自転車:車=25%:75%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第36条4項
「車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。」

事例No107 道路横断中の歩行者と右左折する車の事故

横断歩道から50m以上離れた片側2車線以上の交差点すぐ近くの道路を横断中の歩行者と右折または左折する車の事故

横断歩道から50m以上離れた片側2車線以上の交差点すぐ近くの道路を横断中の歩行者と右折または左折する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
10 90
10 90

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
横断禁止場所でしたか?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は右折または左折するにあたっては、注意しながら徐行しなければなりません。
特に、車の通行量の多い片側2車線以上の道路を横断する歩行者は、スピードが速くなりがちな直進車に気をとられやすいといえます。つまり、歩行者にとっては右左折車に気づきにくいと予想される場所といえ、右左折車はより注意をすべきと考えられます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=10%:90%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。