2021.09.24 更新

横断歩道から30m以上離れた信号機のない交差点の広路(片側2車線未満)を横断中の歩行者と車の事故の過失割合

片側が2車線未満で横断歩道から30m以上離れた信号機のない交差点の広路を横断中の歩行者と車の事故

このページでは、歩行者が、横断歩道から30m以上離れた交差点の明らかに幅が広い方の信号機の無い道路(片側2車線未満)を横断していたところ、車によって被害に遭った事故の過失割合を調べることができます(上図のどちらかの歩行者といずれかの車の事故です)。

弁護士

車は直進していましたか、右折または左折していましたか?

車は、交差点では、道路を横断する歩行者に特に注意して安全な速度と方法で通行しなければなりません(道路交通法第36条4項)。
特に、横断歩道の無い交差点では、歩行者の横断を妨げてはなりません(同法第38条の2)。
このような義務を負う車の過失割合が基本的には大きくなります。

他方、歩行者は、付近に横断歩道がある場合は横断歩道によって横断しなければなりませんが、本事例では30m以内に横断歩道がありません。そのため、歩行者は、横断歩道によらずに横断していたことをもって、過失割合があるとはいえません(横断禁止場所を除く)。
とはいえ、歩行者も、横断歩道の無い交差点を横断するにあたっては、車に十分注意して横断するべきといえます。
そのため、基本的には歩行者にも過失割合が無いとはいえません。

道路交通法第36条4項
「車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。」

同法第38条の2
「車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。」

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事例No150 片側2車線未満の広路を横断中の歩行者と直進車の事故

片側が2車線未満で横断歩道から30m以上離れた信号機のない交差点の広路を横断中の歩行者と直進する車の事故

片側が2車線未満で横断歩道から30m以上離れた信号機のない交差点の広路を横断中の歩行者と直進する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
15 85
15 85

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
横断禁止場所でしたか?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

車は、交差点内を通行するときは、道路を横断する歩行者に特に注意をしなければなりません。
また、30m以内に横断歩道が無いので、歩行者が横断歩道によらずに横断していても、歩行者の過失割合は大きくなりません。
さらに、歩行者は車よりも交通弱者といえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=15%:85%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

実際の裁判例としては、東京地方裁判所の平成23年1月12日判決があります。
事故現場は、信号機も横断歩道もない交差点で、交差する道路の一方は歩道のある片側1車線で幅員が15.9m(広路)、他方は車線がなく幅員が3m(狭路)でした。なお、南側66m先の交差点には信号機のある横断歩道が設置されていました。
午前4時25分ころ(当日の日の出は午前6時24分ころでした)、大型貨物自動車は、無線交信に気をとられて前方の注意を怠りながら、時速40kmで広路から交差点に入って直進していたところ、同交差点の広路を横断していた歩行者に衝突しました。
判決では、歩道があったこと、夜であったこと、無線交信に気をとられていたことなどが考慮され、歩行者:車=15%:85%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No151 片側2車線未満の広路を横断中の歩行者と右左折車の事故

片側が2車線未満で横断歩道から30m以上離れた信号機のない交差点の広路を横断中の歩行者と右折または左折する車の事故

片側が2車線未満で横断歩道から30m以上離れた信号機のない交差点の広路を横断中の歩行者と右折または左折する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
5 95
5 95

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
横断禁止場所でしたか?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車は酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は右折または左折するときは、徐行しなければなりません(道路交通法第34条1項2項)。そして、十分に徐行していれば、右左折車は道路を横断する歩行者を発見して、事故を回避することが可能と考えられます。
さらに、車は、交差点では、道路を横断する歩行者に特に注意して安全な速度と方法で通行しなければなりません(同法第36条4項)。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=5%:95%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第34条1項2項
「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
2 自動車、原動機付自転車又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。