2021.07.11 更新

片側2車線未満の道路を横断中の歩行者と前進またはバックする車の事故の過失割合(信号機の無い横断歩道から2~5m離れた場所)

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路を横断する歩行者と前進またはバックする車の事故

このページでは、歩行者が信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線(両側4車線)未満の道路を横断していたところ、車によって被害を受けた事故の過失割合を調べることができます(上図の車がば単車(バイクまたは原付)であった場合も含みます。交差点の横断歩道近くの事故も含みます)。

上図のいずれかの車と歩行者の事故です。つまり、普通に道路を前進している車との事故、または、道路を後退(バック)している車との事故です。

弁護士

車は前進していましたか、それとも後退(バック)していましたか?(後退していた場合、歩行者は車のすぐ後ろで横断を始めましたか?)

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事例No140 車が前進していたときの事故

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路を横断していた歩行者と前進する車の事故

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路を横断していた歩行者と前進する車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
15 85
15 85

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
横断禁止場所でしたか?
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

車は横断歩道に接近する場合、横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、徐行しなければなりません(道路交通法第38条1項)。ですので、本事例のように横断歩道の近くでは、歩行者がいないかを確認できる程度まで減速しなければならず、歩行者がいる可能性があればさらに徐行しなければなりません。このような減速ないし徐行の義務を十分に果たしていれば、横断歩道の近くを横断しようとする歩行者を発見して事故を回避することも可能であると考えられます。そのため、基本的には車の過失割合が大きくなります。
他方、歩行者も、近くの横断歩道によらずに道路を横断していますので、基本の過失割合は「歩行者:車=15%:85%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

実際の裁判例としては、水戸地方裁判所の昭和56年2月13日判決があります。
事故現場は、東西に走る幅約13mの道路上で、歩車道の区別があり、センターラインもひかれていました。事故時(10月下旬の午前4時20分ころ)は、付近に街灯もあって明るく、見通しも良く、交通量も少ない状況でした。
歩行者Aは、70歳で、早朝マラソンのため午前4時頃に家を出て、本件事故現場にさしかかり、横断歩道の直近で、歩道から車道を横断して反対側歩道に出ようとしました。
一方、普通乗用自動車(B車)の運転者は、当日午前4時過ぎに起床し、時間的余裕がなかったためにガウンを着たままA車を運転して、家族を駅まで送ってその帰り道に、時速約45kmで本件事故現場にさしかかりました。そして、事故現場の手前で、早朝の起床のため頭が重く、眠けを催したため、大きなあくびをして、手で顔面を押えながら、下を向いたまま運転進行していたところ、突然B車の左前方に歩行者Aが道路を横断しているのを発見し、避ける間もなく、歩行者Aに衝突しました。
判決では、歩行者A:B車=0%:100%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No141 バックしていた車のすぐ後ろで歩行者が横断を始めたときの事故

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路でバックする車とそのすぐ後ろを横断する歩行者の事故

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路でバックする車とそのすぐ後ろを横断する歩行者の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
20 80
20 80

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
車はバックブザーを鳴らすなどの警告をしましたか?
車は酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は、横断歩道の近くでは減速して歩行者がいるかを確認し、歩行者がいる可能性があれば徐行しなければなりません。また、歩行者は車に対して交通弱者といえます。そのため、車の過失割合が大きくなります。
他方、歩行者は、近くの横断歩道を渡って道路を横断しなければなりません。また、以下の法令のとおり、歩行者は、横断歩道以外では、車の直後を横断してはなりません。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=20%:80%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第13条1項
「歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。ただし、横断歩道によつて道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従つて道路を横断するときは、この限りでない。」

事例No142 バックしていた車のすぐ後ろ以外で歩行者が横断を始めたときの事故

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路でバックする車とそのすぐ後ろ以外を横断する歩行者の事故

信号機の無い横断歩道から2~5m離れた片側2車線未満の道路でバックする車とそのすぐ後ろ以外を横断する歩行者の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
5 95
5 95

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
車が後退を始める前に歩行者はすでに車の後ろにいましたか?
車はバックブザーを鳴らすなどの警告をしましたか?
車は酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

歩行者は近くの横断歩道を渡らずに道路を横断していますので、過失割合が生じます。
もっとも、車は、以下の法令のとおり、歩行者の交通を妨害するおそれがないことを十分に確認しなければ、後退(バック)してはなりません。そのため、車の過失割合が大きくなります。
具体的には、基本の過失割合は「歩行者:車=5%:95%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。
たとえば、車は、バックブザーを鳴らすなどの警告をした場合、過失割合が小さくなります。
また、上の質問に含まれてはいませんが、車の後退する距離が長くなると、逆走となり、上記よりも車の過失割合が大きくなる可能性があります。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第25条の1第1項
「車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。