2021.07.07 更新

車が信号機のある横断歩道の手前2~10mの辺りで歩行者に被害を負わせた事故の過失割合(片側2車線以上の道路)

片側2車線以上の道路を直進する車が信号機のある横断歩道の手前2~10mの辺りで歩行者に被害を負わせた事故

このページでは、車が片側2車線以上の道路を直進し、信号機のある横断歩道の手前2~10mの辺りで、歩行者に被害を負わせた事故の過失割合を調べることができます(上図のどちらかの歩行者の事故です。上図の車がバイクや原付であった場合も含みます。交差点の横断歩道近くの事故も含みます)。

弁護士

信号の色をお選びください

歩行者の従うべき信号
歩行者は、横断歩道が付近にある場合、横断歩道によって道路を横断しなければなりません。特に、車の交通量が多い片側2車線以上の道路では、その必要性がより高くなります。
そして、本事例の横断歩道には信号機があり、その信号の規制は横断歩道の周辺に及んでいます。
そのため、横断歩道の歩行者の信号の色が過失割合に大きく影響します。
他方、車は横断歩道を通り過ぎてはいませんので、車の信号違反の問題は出てこないようにも思われます。しかし、車は、高速で移動しますので、前方の信号の色に応じて事前に減速したりしなければなりません。特に、本事例は横断歩道からわずか2~10mしか離れていません。
そのため、車の信号の色も過失割合に影響することになります。

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事例No88 直進車の信号が赤、歩行者の信号が青の事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、赤信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、青信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、赤信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、青信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
20 80
20 80

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

歩行者は、付近にある横断歩道を外れて横断しています。特に、本事例は片側2車線以上の道路で車の交通量が多いと考えられますので、横断歩道を横断する必要性が高いといえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=20%:80%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。
たとえば、車は赤信号を無視して通過するには至っていませんが、前方の信号が黄または赤の時点で事前に減速をすべきです。そのため、車が減速していない場合は、車の過失割合が大きくなります。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No89 直進車の信号が赤、歩行者の信号が黄(青点滅)の事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、赤信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、黄(青点滅)信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、赤信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、黄(青点滅)信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
30 70
30 70

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

片側2車線の車の交通量が多い道路で、歩行者は青点滅(黄)信号で横断歩道以外の場所を横断しています。
他方、車は赤信号を無視して通過するには至っていませんが、前方の信号が黄または赤の時点で事前に減速するべきといえます。そして、車が十分に減速していたのであれば、横断する歩行者を発見して事故を回避することも可能であったと考えられます。また、歩行者は車に対して交通弱者といえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=30%:70%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No90 直進車の信号が赤、歩行者の信号も赤の事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、赤信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、赤信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、赤信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、赤信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
40 60
40 60

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

歩行者は赤信号を無視し、車の交通量の多い片側2車線以上の道路で、付近にある横断歩道を外れて横断しており、危険な行動をとっているといえます。
他方、車は赤信号を無視して通過するには至っていませんが、前方の信号が黄または赤の時点で事前に減速をすべきです。そして、十分に減速をしていたのであれば、横断する歩行者を発見して事故を回避できたと考えられます。
さらに、歩行者は車に対して交通弱者といえます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=40%:60%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No91 直進車の信号が黄、歩行者の信号が赤の事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、黄信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、赤信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、黄信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、赤信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
55 45
55 45

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は、黄色信号では、横断歩道の手前で停止しなければならず、そのためには事前に減速をしていなければなりません。そして、十分に減速をしていたのであれば、歩行者を発見して事故を回避することができたと考えられます。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=55%:45%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

なお、車は、横断歩道に近接した時点で信号が青から黄色に変わったため安全に停止できない場合は、減速せずに横断歩道を通過することができます(道路交通法施行令第2条1項ただし書)。このような場合は、本事例のように車の過失割合を大きくするのは妥当ではなく、車の信号が青の場合と同様にとらえて、事例No92と同じ過失割合にすべきと考えられます。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法施行令第2条1項
「黄色の灯火 車両及び路面電車は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。」

事例No92 直進車の信号が青、歩行者の信号が赤の事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、青信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、赤信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故

片側2車線以上の道路を直進する車が、青信号で横断歩道の手前2~10mまで進行し、赤信号で横断中の歩行者に被害を負わせた事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

歩行者
70 30
70 30

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
歩道のある道路 路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩行者は、車の交通量の多い片側2車線以上の道路を赤信号で付近の横断歩道を外れて横断しているので、過失割合は大きくなります。
具体的には、基本の過失割合は「歩行者:車=70%:30%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。
たとえば、歩行者が予想しづらい動き(飛び出し、後退など)をした場合、過失割合が大きくなります。それが、車がおよそ回避できないような動きであった場合は、上記の過失割合の数値よりも、歩行者の過失割合が大きくなる可能性もあります。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成7年1月23日判決があります。
事故現場は、信号機のある南北方向の直進路と東西方向の直進路が交わる交差点のすぐ近くでした。南北道路は、法定速度が時速60kmで、歩車道の区別があり、片側2車線でした。
歩行者は、事故の前日である午後6時頃から事故時まで、晩酌、スナックでの飲酒により、少なくともビール180mlと中瓶2本を飲んでいました。その後、バーに向かうため、南北道路の西側歩道でタクシーを拾おうとしていたところ、北行の追越車線上をタクシーが走行して来たのに気づきました。歩行者は、タクシーを停車させようとして、すぐ近くの横断歩道の歩行者用信号は赤でしたが、横断歩道を渡らずに歩道から車道に出て東側に向かいました。一方、自動二輪車は、南北道路の北行き走行車線のやや右側を北に向け、時速約60kmで直進していました。そして、本件交差点の対面信号が青でしたので、そのまま進行しようとしたところ、車道の左脇に駐車していた他の車の先から歩行者が現れ、危険を感じ急ブレーキをかけ、左に車体を傾けましたが間に合わず、衝突しました。事故当時は夜間でしたが、照明で明るく、交通は閑散としていました。
判決では、自動二輪車は、見通しを悪くしている駐車車両の付近を通る際はやや減速するなどの処置をとるべきであったこと、歩行者は、泥酔とまではいえなくとも相当程度酒に酔った状態で、横断歩道付近で対面信号は赤であるのに、右方の確認を十分にせず走行車線内の右側付近まで歩行進行したことなどが考慮され、歩行者:自動二輪車=80%:20%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。