2021.07.07 更新

信号機のない交差点を横断中の自転車と対向車の事故の過失割合

信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する左折車または右折車の事故

このページでは、信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する道路から左折または右折した車の事故の過失割合を調べることができます(上図のどちらかの自転車の事故です。上図の車が単車や原付であった場合も含みます)。

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事例No237 信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する右折車の事故の過失割合

信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する右折車の事故

信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する右折車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

自転車
10 90
10 90

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

自転車はどこを横断していましたか?
隣接する横断歩道と自転車横断帯 横断歩道 自転車横断帯
自転車を運転していた人は12歳以下又は65歳以上でしたか?
自転車は酒酔い運転(まっすぐ歩けない等)又はブレーキ不良でしたか?
車は減速していましたか?
車はウインカーなど右折の合図をしましたか?
車は交差点の中央付近まで行かずに手前で右折しましたか(ショートカット右折)?
早回り右折
車が右折を開始した時点(ハンドルを右に回し始めた時点)で自転車はすでに交差点に入っていましたか?
車は事故の時点では右折を終えていましたか(ハンドルをまっすぐに戻していましたか)?
車は右折禁止違反でしたか?
車は酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は、徐行しながら注意して右折しなければなりません(道路交通法第34条2項)。また、自転車も含め直進車は、右折車に優先します(道路交通法第37条)。さらに、自転車は車に比べて交通弱者といえます。
そのため、基本の過失割合は「自転車:車=10%:90%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、車は右折するにあたっては、手、方向指示器または灯火により合図をしなければならず(道路交通法第53条、同法施行令第21条)、合図をしなかった場合は過失割合が大きくなります。また、上の質問には含まれていませんが、合図はしたもののそれが遅れた場合も、車の過失割合を大きくすべきと考えられます。
ただし、それがどの程度遅れた場合かは、微妙かつ専門的な判断が必要になります。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは自転車と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第37条(直進優先)
「車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。」

事例No238 信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する左折車の事故の過失割合

信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する左折車の事故

信号機のない交差点を横断中の自転車と対向する左折車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

自転車
15 85
15 85

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​ ​
自転車はどこを横断していましたか?
隣接する横断歩道と自転車横断帯 横断歩道 自転車横断帯
自転車を運転していた人は12歳以下又は65歳以上でしたか?
自転車は酒酔い運転(まっすぐ歩けない等)又はブレーキ不良でしたか?
車はウインカーなど左折の合図をしましたか?
車は左折のためにいったん右に膨らみましたか(大回り左折。下図)?
大回り左折
車は酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

車は、徐行しながら注意して左折しなければなりません(道路交通法第34条1項)。また、自転車は車に比べて交通弱者といえます。そのため、車の過失割合は大きくなります。
他方、自転車は右側通行をしており、左側通行の原則(同法第17条4項、第18条1項)に違反しています(ただし、自転車横断帯や横断歩道を通行していた場合は、左側通行違反にはなりません(同法第63条の3、第63条の4))。
そのため、基本の過失割合は「自転車:車=15%:85%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、自転車は、夜間無灯火の場合、過失割合が大きくなります。
また、上の質問に含まれてはいませんが、車は、左折の速度が適切でない場合、過失割合が大きくなる可能性があります。左折の速度が適切かは、道路や交通の状況によって判断されます。

実際の裁判例としては、東京地方裁判所の平成22年11月24日判決があります。
事故現場は、南北を結ぶ道路(南北路)と東西を結ぶ道路(東西路)が交わる、街灯のない交差点であり、東西路が優先道路になっていました。東西路は、片側1車線であり、幅員は10.8m(路側帯2.8mを含む)、その両側には幅員2.4mの歩道(自転車通行可)がそれぞれ設置されていました。南北路は、片側1車線であり、幅員は7m(路側帯1.6mを含む)、本件交差点の入口には北側と南側に横断歩道が設置されていましたが、自転車横断帯は設置されていませんでした。そして、その南側の横断歩道上で事故が発生しました。
11月下旬午後9時20分ころ、自転車は、無灯火で、東西路の南側に設置された歩道を西から東に向かって通常の自転車の速度で走行し、本件交差点に差しかかったところ、車が東西路を東から西向かって対向走行してきたのを発見しましたが、先に本件横断歩道を横断できると考え、そのまま、本件横断歩道に進入しました。車は、東西路を東から西に向かって走行し、本件交差点に差しかかったところ、前方から来る歩行者も自転車も見当たらなかったことから、時速20~30kmで本件交差点を左折し始めたところ、本件横断歩道を走行中の自転車と衝突しました。
判決では、横断歩道上であったこと、自転車が夜間無灯火であったことのほか、時速20~25kmは車が左折する速度としては適切とはいえないことなどの事情が考慮され、自転車:車=5%:95%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは自転車と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第34条1項(左折方法)
「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。