2021.09.24 更新

追い越し禁止の交差点で右折する四輪自動車を単車が中央線を越えて追い越した事故の過失割合

このページでは、追い越し禁止の交差点で四輪自動車が右折をしているときに、単車(バイクまたは原付)が中央線(中央線がない場合は道路中央)を越えて追い越して事故が起きた場合の過失割合を調べることができます。

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事例No472 単車が中央線を越えて追い越した事故(追い越し禁止の交差点)

追い越し禁止の交差点で右折する四輪自動車を単車が中央線を越えて追い越した事故

追い越し禁止の交差点で四輪自動車が右折しているときに単車が中央線(中央線がない場合は道路中央)を越えて追い越した事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

単車 四輪自動車
80 20
80 20

過失割合の解説

次のいずれか1つでもあてはまる場合、追い越し禁止の交差点になります。

  • 優先道路でない(=交差点内に車線が引かれていない)
  • 上り坂の頂上付近
  • 急な下り坂
  • 追い越し禁止の標識・標示がある

このような交差点では、追い越しが危険なため、禁止されています。
単車は追い越し禁止に違反しており、その落ち度は大きいといえます。
ただし、四輪自動車も右折時には十分な注意をしなければなりませんし、単車は四輪自動車に比べて交通弱者といえます。
そのため、基本の過失割合は「単車:四輪自動車=80%:20%」となります。

もっとも、個別の事情によっては、過失割合は変化することがあります。
たとえば、四輪自動車が、右折レーンのある道路で右折レーン以外の車線から右折した場合や、右折レーンのない道路であらかじめ道路中央に寄ることなく右折した場合、その右折は後続する単車にとって唐突で危険が大きいため、基本の過失割合より、単車が15%程度小さくなり、四輪自動車が15%程度大きくなります。

実際の裁判例としては、東京地方裁判所の平成27年3月9日判決があります。
事故現場は、南北道路(車道幅員3.5m、両端に幅員各1.1mの路側帯)と東西道路(車道幅員3.6m、両端に幅員1.1mと1.2mの路側帯)が交わる交差点でした。信号機はなく、4か所の交差点出入口に横断歩道(幅員3.3~4.0m)が設置され、南出入口には一時停止標識がありました。南北道路の制限速度は毎時30kmでした。
車は、南北道路を北進し、原付はそれに追尾していました。車は、本件交差点を右折しようとして、入口の停止線を越え、横断歩道の手前でハンドルを右に切り、右折進入しました。原付は、本件交差点入口の停止線の手前にいる車のブレーキランプが点灯したのを、その後方約3.5mの位置で見て、ハンドルを右に切って南北道路の中央を越え(左端から約3.7m)、車の右後方約1.9mに迫り、危険を感じてブレーキをかけました。車の運転者は、原付が自車の右側方にいることに気づき、ブレーキをかけましたが、車を原付に衝突させました。
判決では、原付が、十分な車間距離を保持しなかったこと、本件交差点の一時停止規制に従わなかったことなどが考慮され、原付:車=60%:40%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは単車と四輪自動車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第30条
「車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(軽車両を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
一 道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近又は勾こう配の急な下り坂
二 トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)
三 交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道又は自転車横断帯及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。