道路外から道路に入る四輪自動車と道路を直進中の単車の事故の過失割合

更新日:2023年03月01日

執筆者:弁護士 深田 茂人

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道路外から道路に入る四輪自動車と道路を直進中の単車の事故

このページでは、道路外から道路に入る四輪自動車と、道路を直進中の単車(バイクまたは原付)の事故の過失割合の目安を調べることができます(上図のどちらかの単車の事故です)。

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弁護士
四輪自動車は単車のどちら側から道路に入ってきましたか?

上の回答のいずれにもあてはまらない場合はこちら

【このページの事例とは異なる事故の過失割合を調べたい方はこちら】
このページの事例は「単車と四輪自動車」「四輪自動車が道路外から道路に進入」「単車は道路を直進中」の事故です。

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事例No596 単車の左側から四輪自動車が道路に入ってきたときの事故

道路を直進中の単車とその左側から道路に入ってきた四輪自動車の事故

道路を直進中の単車と、その左側から道路に右折または左折して入ってきた四輪自動車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

単車 四輪自動車
10 90
10 90

下の質問に回答していくと、上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩道のある片側2車線以上の道路でしたか?
単車は時速30km以上の速度違反をしていましたか?
単車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許、危険な体勢での運転のいずれかでしたか?
四輪自動車は、道路に入る前に、道路に車の頭を少し出して待機しましたか?
四輪自動車は急加速して道路に飛び出しましたか?
四輪自動車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

四輪自動車は、道路を走行中の単車の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外から左折または右折をして道路に入ってはなりません(道路交通法第25条の2項第1項)。
そのため、基本の過失割合は「単車:四輪自動車=10%:90%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、四輪自動車は、急加速して道路に飛び出した場合、過失割合が大きくなります。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは単車と四輪自動車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No597 単車の右側から四輪自動車が道路に入ってきたときの事故

道路を直進中の単車とその右側から道路に入ってきた四輪自動車の事故

道路を直進中の単車と、その右側から道路に右折して入ってきた四輪自動車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです。

過失割合

単車 四輪自動車
10 90
10 90

下の質問に回答していくと、上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩道のある片側2車線以上の道路でしたか?
単車は時速30km以上の速度違反をしていましたか?
単車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許、危険な体勢での運転のいずれかでしたか?
四輪自動車は、道路に入る前に、道路に車の頭を少し出して待機しましたか?
四輪自動車は急加速して道路に飛び出しましたか?
四輪自動車は事故の時点では右折を終えていましたか(ハンドルをまっすぐに戻していましたか)?
四輪自動車は、酒酔い(まっすぐ歩けない等)、居眠り、無免許のいずれかでしたか?

過失割合の解説

四輪自動車は、道路を走行中の単車の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外から右折して道路に入ってはなりません(道路交通法第25条の2項第1項)。
そのため、基本の過失割合は「単車:四輪自動車=10%:90%」が目安となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情があると、過失割合は変化することがあります。
たとえば、単車の右から四輪自動車が道路に入ってくる本事例では、四輪自動車は、事故の時点では右折を終えていることがありますが、その場合、事故を回避することが困難ですので、過失割合が小さくなります。
また、上の質問に含まれてはいませんが、道路や事故の状況によっては、タイヤが摩耗していることが事故の原因になることがあります。そのような場合には過失割合が大きくなる可能性があります。

実際の裁判例としては、東京高等裁判所の平成5年9月19日判決があります。
事故現場は、Y方面とA方面を東西に結ぶ車道幅員約5.6mの片側1車線のほぼ直線の見通しの良い道路でした。本件道路の制限速度は時速40kmでした。事故当時、交通量は少ないものの、雨上がりで路面が濡れており、スリップしやすい状況でした。
普通貨物自動車は、自社のガソリンスタンドで給油をし、N子の誘導に従って車道手前まで進出し、いったん停止しました。そして、左右の安全を確認して、ハンドルを右に回しながら時速約5kmの低速度で発進しました。発進と同時に、A方面に通じる車線上の約127m先を直進してくる自動二輪車を発見しました。しかし、その位置関係から、先に安全に右折できると判断し、Y方面に通じる車線を斜めに横切って、時速約5kmのまま、A方面に通じる車線内に進入しました。他方、自動二輪車は、時速80kmを超える速度で、A方面に通じる車線を走行していました。そして、右前方のガソリンスタンドからN子が普通貨物自動車をA方面に通じる車線に出すために誘導しようとしているのを発見しました。しかし、自車の通過を待ってから普通貨物自動車を道路に出すだろうと考えて、若干速度を落としただけで進行を続けました。N子は、普通貨物自動車の誘導をするため、ガソリンスタンドの本件道路ぎわに立って左右を注視し、安全を確認しましたが、進行する車両を発見しなかったので、進行の合図を出しました。普通貨物自動車が発進して間もなく左方向の約百数十メートル先から、自動二輪車が直進してくるのを発見しましたが、普通貨物自動車が発進後であったため、普通貨物自動車に対して何らの指示もしませんでした。ところが、自動二輪車が極めて高速であり、普通貨物自動車が低速すぎたため、自動二輪車が普通貨物自動車に急接近しました。自動二輪車の運転者は、衝突の危険を感じて、普通貨物自動車の後方約20mに迫った地点で、前後輪に急ブレーキをかけました。すると、自動二輪車はスリップして歩道の縁石にぶつかり、転倒しました。
判決では、自動二輪車は、タイヤが磨耗していたこと、雨上がりでスリップしやすい道路を制限速度の2倍程度の高速度で進行していたことなどが考慮され、自動二輪車:普通貨物自動車=60%:40%と判断されました(なお、普通貨物自動車の運転者は自身の判断で自車を車道に進入させたことなどから、N子の誘導が事故の原因となったとは認められないと判断されています)。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは単車と四輪自動車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴18年、交通事故の相談を1000件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。

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