2021.04.09 更新

葬儀費用

交通事故で亡くなられた場合に加害者側の保険会社に請求する葬儀費用について解説します。

葬儀の花

保険会社に請求できる葬儀費用

<保険会社に請求できるもの>

  • 葬儀業者に支払った費用
  • 火葬・埋葬料
  • 葬儀広告代
  • 花代
  • 弔問客に提供する食事代
  • お布施・読経・戒名・法名代
  • 墓地・墓石費用
  • 仏壇・位牌購入費用
  • 49日までの法要代

<保険会社に請求できないもの>

  • 香典返し *香典は葬儀費用から差し引く必要はありません。

請求できる金額(上限)

弁護士基準では、保険会社に請求できる金額の上限は原則として150万円とされています。
なぜなら、人はいつか亡くなり葬儀が必要となるので、高額の場合には全額を請求することまではできないと考えられているためです。
弁護士基準について詳しくはこちらをご覧ください。

ですので、保険会社に請求できる葬儀費用の総額が150万円以下の場合は、実際に払った金額を請求できますが、総額が150万円を超える場合は、150万円のみ請求できるのが原則です。

なお、墓地・墓石費用、仏壇・位牌購入費用を、葬儀費用の上限150万円とは別途に認めている裁判例もあります。しかし、最近の裁判例は、これらの費用も葬儀費用とまとめて上限150万円としているものが多いです。

なお、遺体搬送料や遺体処置料(エンバーミング=遺体を衛生的に保全できる施術)は、葬儀費用とは別途請求できるとする裁判例が多いです。

上限を超える請求が認められる場合

実際の支出額が大きいことや、亡くなられた方や遺族の状況を考慮して、例外的に170~180万円の請求を認めた裁判例もあります。

また、裁判例の中には、200~250万円の請求を認めたものもありますが、以下のような特殊な事情がある場合に限られる傾向があります。

  • 死亡場所と居住地が離れており、近親者も同じ事故で重傷を負っているために、葬儀を2回行う必要があった事例で、200万円の請求が認められた(さいたま地方裁判所平成26年8月8日)。
  • 交通安全のボランティアをしていた時に、歩道上で暴走する車にひかれて亡くなった事例で、県警察から警察協力殉職者として扱われ、親族としても恥ずかしくない葬儀を営む必要があったことを理由に、実際の500万円を超える支出のうち、250万円の請求が認められた(さいたま地方裁判所平成24年1月31日判決)。
  • 7歳の小学生の女子が通学途中に亡くなった事故で、学校関係者等多数の参列者があって葬儀等の規模がある程度大きくなったことなどを考慮して、300万円の請求が認められた(大阪地方裁判所平成14年2月7日判決)
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。