2021.09.24 更新

信号機の無い横断歩道での歩行者と車の事故の過失割合

このページでは、歩行者が信号機の無い横断歩道を横断中に、車によって被害に遭った事故の過失割合を調べることができます。

過失割合TOPページへ

事例No68 信号機の無い横断歩道での歩行者と車の事故

信号機の無い横断歩道での歩行者と車の事故

信号機の無い横断歩道での歩行者と車の事故の過失割合の目安は、以下のとおりです(上図のどちらかの歩行者といずれかの車の事故です。上図の車がバイクや原付であった場合も含みます。歩行者が横断歩道の外側の約2m以内の場所を横断していた場合も含みます)。

過失割合

歩行者
0 100
0 100

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

夜(日没~日の出)でしたか?
現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

横断歩道では、歩行者が優先します(道路交通法第38条1項)。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:車=0%:100%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては、過失割合が変化します。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成17年11月25日判決があります。
事故現場は、市街地の中を東西に通る道路の信号機のない横断歩道上でした。東西道路は、歩車道が柵で区切られ、車道の幅は約5.8mの片側1車線で、中央線が引かれており、道路沿いには商店が建ち並んでいました。。
12月下旬午後5時20分ころ、原動機付自転車(原付)は、東西道路の東行き車線を走行していましたが、本件横断歩道の約53.1m手前の地点で前方に自動車の渋滞の列ができていたため、それを避けようと道路の左側に寄って時速30kmで走行して本件横断歩道に差し掛かりました。原付の運転者は、本件横断歩道の手前に白いワンボックスカーが停車しているのに気づきましたが、横断歩道があることに気づかないまま、遠方の信号機を見ながら漫然と速度を落とすことなく走行したところ、横断歩道を南から北へ向けて渡っていた歩行者と衝突しました。
判決では、原付の運転者は、右側に自動車が列をなして停車しており、本件横断歩道の見通しが悪いことを知りながら、横断歩道を見落として、減速せずに本件横断歩道を通過していること、事故現場は近隣に商店等が立ち並ぶ地域であること、歩行者の年齢が12歳であったことが重視され、夜間であることや歩行者が渋滞により停車している自動車の間を小走りに横断していたことがあるものの、歩行者:原付=0%:100%と判断されました。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第38条1項
「車両等は、横断歩道又は自転車横断帯に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。