2021.07.11 更新

横断歩道上の歩行者と直進車の事故の過失割合(信号の変化なし)

信号機のある横断歩道上での歩行者と直進車の事故

歩行者が横断歩道を横断中に、直進してきた車によって被害を受けた事故の過失割合を調べることができます。

弁護士

信号の色をお選びください

歩行者の従うべき信号
歩行者も車も信号機の色に従わなければなりません。
もし従わないとしたら、大変な事故につながってしまいます。
そのため、過失割合を決めるにあたっては、歩行者と車の信号機がそれぞれ何色であったかが重要な要素になります。

もっとも、横断歩道上における歩行者は法的に強く保護されており、その点も各事例の過失割合に大きく影響します。

(横断歩道等における歩行者等の優先)
道路交通法第38条
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

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事例No1 直進車の信号が赤、歩行者の信号が青の事故

青信号で横断歩道を渡る歩行者と赤信号を無視した直進車の事故

直進車の信号が赤、歩行者の信号が青の横断歩道での事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
0 100
0 100

過失割合の解説

歩行者は、青信号で横断歩道を横断していた場合、絶対的に保護されるべきですので、過失割合は0%(落ち度なし)です。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No2 直進車の信号が赤、歩行者の信号が黄(青点滅)の事故

青点滅信号で横断歩道を渡る歩行者と赤信号を無視した直進車の事故

直進車の信号が赤、歩行者の信号が黄又は青点滅の横断歩道での事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
10 90
10 90

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩行者は12歳以下、65歳以上、身体障がい者(目・耳・足・平行機能)のいずれかでしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

直進車の信号は赤であり、歩行者は横断歩道を横断していたのですから、直進車の過失割合(落ち度)は大きくなります。
もっとも、下記の法令のとおり、青点滅(または黄)の信号では、歩行者は道路の横断を始めてはならないとされているので、青点滅(または黄)信号で横断を始めた歩行者にも、わずかながら過失割合があるといわざるをえません。
そのため、基本の過失割合は「歩行者:直進車=10%:90%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。
たとえば、歩行者が12歳以下の幼児や児童であった場合、歩行者の過失割合は小さくなります。青点滅や黄信号では道路交通法規に従って適切に行動しなければなりませんが、幼児や児童は成人と比べて判断が遅かったり間違ったりすることもありえます。そのような幼児や児童が横断歩道を渡っている可能性は十分ありえることですので、車を運転する人はその点も考慮に入れて、注意しながら横断歩道を通過することが求められます。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法施行令第2条1項
黄色の灯火 人の形の記号を有する青色の灯火の点滅
歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、速やかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。

事例No3 直進車の信号が赤、歩行者の信号も赤の事故

赤信号を無視して横断歩道を渡る歩行者と赤信号を無視して直進する車の事故

直進車の信号が赤、歩行者の信号が赤の横断歩道での事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
20 80
20 80

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

ともに赤信号ですが、歩行者は横断歩道を横断していたことから、基本の過失割合は「歩行者:直進車=20%:80%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No4 直進車の信号が黄、歩行者の信号が赤の事故

赤信号を無視して横断歩道を渡る歩行者と黄信号で直進する車の事故

直進車の信号が黄、歩行者の信号が赤の横断歩道での事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
50 50
50 50

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩行者は赤信号ですが、横断歩道を横断していたことから、基本の過失割合は「歩行者:直進車=50%:50%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No5 直進車の信号が青、歩行者の信号が赤の事故

赤信号を無視して横断歩道を渡る歩行者と青信号で直進する車の事故

直進車の信号が青、歩行者の信号が赤の横断歩道での事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
70 30
70 30

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩行者は横断歩道を横断していますが、直進車が青信号、歩行者が赤信号なので、歩行者の信号無視による危険が大きく、基本の過失割合は「歩行者:直進車=70%:30%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。

特に、歩行者が予測しづらい動き(飛び出し、後退など)をした場合、車が事故を回避することはとても困難になります。その場合、歩行者の過失割合がどの程度大きくなるかは歩行者の動きにもよりますが、ケースによっては車の過失割合がないとされる可能性もあります。

実際の裁判例としては、大阪地方裁判所の平成19年3月28日の判決があります。夜間に雨の降っている幹線道路で、歩行者が赤信号で横断歩道を渡っていたときに、青信号で直進する車と衝突した事故でした。車は、制限速度を10kmオーバーしており、運転手は車内時計の表示を注視したまま横断歩道を通過し、急制動等一切の回避措置を講ずることなく歩行者に衝突しました。判決では、歩行者:車=55%:45%と判断されました。
この裁判例を上の質問にあてはめてみると、幹線道路であったため「歩道」があること、車内時計の表示を注視したままであったため「カーナビ・携帯電話等を注視」にあたることが考えられます。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No6 赤点滅または黄点滅信号の事故

ともに赤点滅または黄点滅信号の歩行者と直進車の横断歩道上の事故

両者の信号が赤点滅または黄点滅の横断歩道での事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
0 100
0 100

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

夜(日没~日の出)でしたか?
現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の信号は赤点滅でしたか?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

赤点滅信号や黄点滅信号では、下記の法令のとおり、双方とも注意して交通する必要がありますが、横断歩道上の歩行者は強く保護されるべきですので、基本の過失割合は「歩行者:直進車=0%:100%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法施行令第2条1項
黄色の灯火の点滅
歩行者及び車両等は、他の交通に注意して進行することができること。
赤色の灯火の点滅
一 歩行者は、他の交通に注意して進行することができること。
二 車両等は、停止位置において一時停止しなければならないこと。
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。