2021.07.11 更新

横断歩道を渡っていた途中で信号が変わった歩行者と直進車の事故の過失割合(安全地帯を過ぎた所での事故)

安全地帯のある横断歩道を渡っている途中で信号が変わった歩行者と直進する車の事故

このページでは、歩行者が安全地帯のある横断歩道を渡っていた途中で信号が変わり、安全地帯を過ぎた所で、直進してきた車によって被害にあった事故の過失割合を調べることができます。

弁護士

車の信号と、歩行者の横断開始時から事故時までの信号は、それぞれ何色でしたか?

歩行者の従うべき信号
安全地帯とは、以下の法令のとおり、横断している歩行者の安全を図るために車が入ってはならないとされている場所です。

道路交通法第2条1項6号
「安全地帯 路面電車に乗降する者若しくは横断している歩行者の安全を図るため道路に設けられた島状の施設又は道路標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の部分をいう。」
同法第17条6項
「車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。」

安全地帯はこのような役割で設けられているので、信号が途中で変わった場合、歩行者は安全地帯にとどまるべきといえます。
横断歩道上の事故ですので、基本的には歩行者が保護されますが、歩行者が安全地帯にとどまらなかった場合はその分だけ過失割合が大きくなります。

過失割合TOPページへ

事例No19 直進車の信号が青、歩行者の信号が青から赤に変わった事故

信号が青から赤に変わった歩行者と青信号で直進する車の安全地帯のある横断歩道上の事故

歩行者が安全地帯のある横断歩道を横断中に信号が青から赤に変わり、安全地帯を過ぎた所で、青信号で直進してきた車によって被害にあった事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
30 70
30 70

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

横断歩道上の歩行者は強く保護されるべきですので、車の過失割合が大きくなります。
ただし、歩行者は、横断中に黄色信号になった場合、速やかに横断を終わるか、横断をやめて引き返さなければなりません。安全地帯のある横断歩道では、安全地帯にとどまるべきといえるので、その分、歩行者の過失割合は大きくなります。
具体的には、基本の過失割合は「歩行者:車=30%:70%」となります。

ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。
たとえば、現場の道路に歩道又は端から1m以上離れた白線(路側帯)がなかった場合、歩行者の過失割合は小さくなります。なぜなら、このような道路では、歩行者と車の通行する場所が工作物や白線によって明確に区分されていないため、車は歩行者により注意するべきだからです。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法第10条1項2項
「歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。
2 歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
一 車道を横断するとき。
二 道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき。」(*太字引用者)
執務資料 道路交通法解説17訂版148頁(道路交通執務研究会 編著)
「『歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯』とは おおむね一メートル以上の幅員と解されている。その理由は、人の肩幅がおおむね〇.五メートルであるから一メートル以上の幅があれば、歩行者のすれちがいが可能と考えられたことにある。」(*太字引用者)

事例No20 直進車の信号が青、歩行者の信号が黄(青点滅)から赤に変わった事故

信号が黄から赤に変わった歩行者と青信号で直進する車の安全地帯のある横断歩道上の事故

歩行者が安全地帯のある横断歩道を横断中に信号が黄から赤に変わり、安全地帯を過ぎた所で、青信号で直進してきた車によって被害にあった事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
40 60
40 60

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

現場の道路には歩道(図A)又は端から1m以上離れた白線(図B)がありましたか?
横断歩道と歩道のある道路 横断歩道と路側帯のある道路
人通りの多い場所・時間帯でしたか(日中の住宅街など)?
夜(日没~日の出)でしたか?
歩行者は5歳以下又は身体障がい者(目・耳・足・平行機能)でしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

歩行者は黄色信号では横断を開始してはなりません。また、安全地帯がある場合、信号が黄や赤であれば、安全地帯にとどまるべきといえます。
そのため、歩行者が横断歩道を横断していたとはいえ、基本の過失割合は「歩行者:車=40%:60%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No21 直進車の信号が赤、歩行者の信号が青から赤に変わった事故

信号が青から赤に変わった歩行者と赤信号で直進する車の安全地帯のある横断歩道上の事故

歩行者が安全地帯のある横断歩道を横断中に信号が青から赤に変わり、安全地帯を過ぎた所で、赤信号で直進してきた車によって被害にあった事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
0 100
0 100

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩道のある片側2車線以上の道路でしたか?
歩行者は12歳以下、65歳以上、身体障がい者(目・耳・足・平行機能)のいずれかでしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
歩行者は予測しづらい動きをしましたか(飛び出し、後退など)?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

赤信号を無視した車の過失が大きいので、歩行者の基本の過失割合は0%です。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

事例No22 直進車の信号が赤、歩行者の信号が黄(青点滅)から赤に変わった事故

信号が黄から赤に変わった歩行者と赤信号で直進する車の安全地帯のある横断歩道上の事故

歩行者が安全地帯のある横断歩道を横断中に信号が黄から赤に変わり、安全地帯を過ぎた所で、赤信号で直進してきた車によって被害にあった事故の過失割合の目安は以下のとおりです。

過失割合

歩行者
10 90
10 90

以下の質問に回答していくと上記の過失割合の%が変化して、より詳しく調べることができます。

歩行者は12歳以下、65歳以上、身体障がい者(目・耳・足・平行機能)のいずれかでしたか?
歩行者のほかにも複数人が横断中でしたか?
車の速度は次のいずれですか?

過失割合の解説

以下の法令のとおり、歩行者は黄色信号では横断を開始してはならないので、歩行者にもわずかながら過失割合があるものと考えられます。
具体的には、基本の過失割合は「歩行者:車=10%:90%」となります。
ただし、上の各質問のような個別の事情によっては過失割合が変化します。
なお、車が赤信号を無視した点を重視して、事例No21と同様に考える見解もあります。本事例は特に弁護士に相談することをお勧めします。

上で表示される数値(%)は、各種法律文献を参考にして検討されたものであり、おおよその目安です。示談するときは事前に弁護士にご相談ください。
詳しくは歩行者と車の事故の過失割合の数値(%)の根拠をご覧ください。

道路交通法施行令第2条1項
「黄色の灯火 人の形の記号を有する青色の灯火の点滅
歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、速やかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。」
このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。