通院費などの交通費

更新日:2021年12月06日

執筆者:弁護士 深田 茂人

交通事故被害者が損をしないための情報を手軽に得られるように、「交通事故お役立ち手帳」サイトを運営・執筆しています。そのコンセプトに賛同する全国の交通事故に詳しい弁護士とともに、無料相談にも対応しています。弁護士歴18年、交通事故相談担当1000件以上、大分県弁護士会所属(登録No33161)。

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交通事故でケガをした場合、通院費などの交通費がかかります。
このページでは、そのような交通費を加害者側の保険会社に請求する方法について解説します。

バス

通院のための交通費

交通事故でケガをした場合、その治療のための通院、入院、退院、転院にかかる交通費は、相当な範囲内で、その実費を保険会社に請求することができます。
以下、交通手段ごとに詳しく解説します。

自家用車を利用した場合

治療のために必要な通院であれば、自家用車を利用した際にかかるガソリン代、駐車場代、高速道路料金代を、保険会社に請求することができます。

ガソリン代は1kmあたり15円で請求するのが一般的です。

高速道路を利用して通院する場合は、通院先の病院をどこにするかを含め、事前に保険会社と話し合っておく方がよいでしょう。

公共交通機関を利用した場合

治療のために必要な通院であれば、電車やバスなどの公共交通機関の利用にかかる実費を、保険会社に請求することができます。

タクシーを利用した場合

治療のために必要な通院であり、かつ、タクシーを使うことが相当であれば、タクシー代を保険会社に請求することができます。

タクシーを使うことが相当であるかは、ケガの部位や程度、交通機関の便などを考慮して決められます。

たとえば、手のケガよりも足のケガの方が、タクシーを使うことが認められやすい傾向があります。

保険会社と話し合って決めますが、話し合いがうまくいかない場合は裁判で決めることになります。

タクシーを利用する前に、保険会社の担当者に了承を得ておいた方がよいでしょう。

徒歩や自転車の場合

徒歩や自転車で通院した場合は、お金がかかっていないため、交通費を保険会社に請求することはできません。

通院費を請求する時期

示談前の治療期間中であっても、それまでかかった通院費を、保険会社に請求することができます。

ただし、治療のために必要な通院か、タクシーを使うことが相当かなどについて、保険会社が疑問をもった場合、その分の通院費が支払われない可能性があります。
その分の通院費については、治療のために必要な通院であることやタクシーを使う必要があることについて医師から説明を受け、それを保険会社に伝える必要があります。
どうしても話がまとまらない場合は、示談の際に改めて交渉し、それでもまとまらなければ裁判をする必要があります。

通院費を請求する方法

保険会社に通院費を請求するためには、通院交通費明細書と領収書を保険会社に提出する必要があります。

通院交通費明細書

通院交通費明細書とは、通院に要した費用について記載して、保険会社に提出するための書類です。この書類は、保険会社から送られてきます(コピーをしたものを使っても大丈夫です)。

1回で全ての通院費を請求する必要はなく、何度かに分けて請求をして、その都度支払いを受けることができます。その場合は、その都度、通院交通費明細書に記載をし、提出する必要があります。

領収書

タクシーを利用した場合は、領収書も保険会社に提出する必要があります。

自家用車を利用した場合、ガソリン代の領収書の提出は必要ありません。
しかし、駐車場代や高速道路料金については、領収書の提出が必要です(高速道路でETCを利用した場合も、出口で領収書をもらうようにしましょう)。

電車やバスを利用した場合は、領収書の提出は必要ありません。

通院以外の交通費

通院は、交通事故がなければしなくてよかったものですので、その費用を請求できるのが原則です。

しかし、通勤や通学などは、交通事故がなくてもしなければならないものですので、事故前と交通手段を変えざるをえなかったという事情がなければ、その交通費を請求することはできません。
詳しくは、その他費用のページをご覧ください。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴18年、交通事故の相談を1000件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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