2021.11.17 更新

噛みづらい・飲み込みづらい・言語不明瞭の後遺障害等級

交通事故で噛みづらい・飲み込みづらい・言語不明瞭の後遺症が残った場合に保険会社から認定される後遺障害等級について解説します。

後遺症の程度と等級

以下のように、噛みづらい・飲み込みづらい・言語不明瞭の程度によって等級が認定されます。
なお、「語音」とは以下の4種の音のことです。
・口唇音=「ま行・ぱ行・ば行・わ行・ふ」の音
・歯舌音=「な行・た行・だ行・ら行・さ行・ざ行」の音
・口蓋音=「か行・が行・や行・ひ・にゅ・ぎゅ・ん」の音
・喉頭音=「は行」の音

1級(別表第二)
流動食しか食べられず、3種以上の語音を発せない
2級(別表第二)
流動食しか食べられず、2種の語音を発せない
3級
流動食しか食べられない
3級
3種以上の語音を発せない
4級
粥のような物しか食べられず、2種の語音を発せない
5級
粥のような物しか食べられず、1種の語音を発せない
6級
粥のような物しか食べられない
6級
2種の語音を発せない
9級
固形食物の中に十分にそしゃくできないものがあり、1種の語音を発せない
10級
固形食物の中に十分にそしゃくができないものがある
10級
1種の語音を発せない
12級
味覚を失った
12級
声帯麻痺による著しいかすれ声
12級
そしゃくに相当時間を要する(開口障害を検査等で確認できる)
14級
味覚減退
等級非該当
上記等級ほどの重い症状は無い
非典型後遺症
上記等級にあてはまらない重い症状がある

等級が認定されるためには噛みづらい・飲み込みづらい・言語不明瞭の原因が検査などで証明できなければなりません。

等級が認定されるために必要なこと

噛みづらい・飲み込みづらい・言語不明瞭の証明

食べ物が噛みづらい原因は、不正咬合(ふせいこうごう。正しいかみ合わせができないこと)や、側頭筋などの咀嚼に関与する筋肉(咀嚼関与筋群)の異常、あごの関節の障害、開口障害、歯の損傷などがあります。
飲み込みづらい原因は、舌の異常、咽頭支配神経の麻痺などがあります。
喉頭(こうとう)には声帯があり、声帯にあるヒダのすき間の声門が筋肉の働きで狭くなって、そこを呼気が勢いよく通り抜けることによって、そのヒダが振動し、音波を発生させます。そして、その音波が口の中で共鳴し、唇や歯、舌の位置を変えることによって、語音(=言葉を構成する音声)に形成され、それが一定の順序に連結されて、言語となります。
噛みづらい・飲み込みづらい・言語不明瞭の後遺障害等級が認定されるためには、このようなメカニズムが十分に働かなくなっていることを証明する必要があります。

後遺障害診断書に書いてもらう

医師に後遺障害診断書の①欄「他覚症状および検査結果」に原因と程度(摂食可能な食物、発音不能な語音など)を記入してもらいます(⑥欄「そしゃく・言語の障害」に①欄に記入するよう指示されています)。そして、その後遺障害診断書を自賠責保険会社または任意保険会社に提出して後遺障害等級を認定してもらいます。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人(大分県弁護士会所属、登録番号33161)
大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴15年、交通事故の相談を800件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。

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