視力低下の後遺障害等級

更新日:2021年12月07日

執筆者:弁護士 深田 茂人

交通事故被害者が損をしないための情報を手軽に得られるように、「交通事故お役立ち手帳」サイトを運営・執筆しています。そのコンセプトに賛同する全国の交通事故に詳しい弁護士とともに、無料相談にも対応しています。弁護士歴18年、交通事故相談担当1000件以上、大分県弁護士会所属(登録No33161)。

執筆者プロフィール

交通事故で視力低下の後遺症が残った場合に保険会社から認定される後遺障害等級について解説します。

後遺症の程度と等級

以下のように、視力低下の程度によって等級が認定されます。
なお、「視力」とは、メガネやコンタクトレンズなどで矯正できる場合は矯正視力、矯正できない場合は裸眼視力のことです。

1級(別表第二)
両眼失明
2級(別表第二)
1眼失明、かつ、他眼視力≦0.02
2級(別表第二)
両眼視力≦0.02
3級
1眼失明、かつ、0.02<他眼視力≦0.06
4級
0.02<両眼視力≦0.06
5級
1眼失明、かつ、0.06<他眼視力≦0.1
6級
0.06<両眼視力≦0.1
7級
1眼失明、かつ、0.1<他眼視力≦0.6
8級
1眼失明
8級
1眼視力≦0.02
9級
0.1<両眼視力≦0.6
9級
0.02<1眼視力≦0.06
10級
0.06<1眼視力≦0.1
13級
0.1<1眼視力≦0.6
等級非該当
上記等級ほどの重い症状は無い
非典型後遺症
上記等級にあてはまらない重い症状がある

等級が認定されるためには視力低下の原因が検査などで証明できなければなりません。

保険会社から等級が認定されるために必要なこと

等級が認定されるためには、視力低下の原因を証明する必要があります。

眼の外傷による視力障害である場合は、スリット検査や直像鏡を使用して証明します。スリット検査では前眼部と中間透光体の異常、直像鏡では眼底部の異常を検査します。
これらの検査で明らかな異常が認められない場合は、電気生理学的検査を受ける必要があります。この検査は、網膜に光刺激を与えたときに現れる網膜の活動電位をグラフにして記録したもので、これにより視力低下の原因を証明します。

眼球の障害ではなく視神経の損傷が原因である場合は、視覚誘発電位検査によって、網膜から後頭葉に至る視覚伝達路の異常を明らかにして、視力低下の原因を証明します。

また、視力低下の程度については、万国式試視力表(=Cの切れ目が上下左右にあるもの)で裸眼視力と矯正視力の両方を検査して証明する必要があります。

そして、症状、原因、検査結果を後遺障害診断書に記載するよう医師にお願いしましょう。

後遺障害診断書の視力欄

上図が後遺障害診断書です。赤枠内に、視力の検査結果を記載してもらいます。
黄枠内に、症状(生活状況など)、視力低下の原因、将来の症状の見通しを記載してもらいます。

このページの執筆者
弁護士 深田茂人

弁護士 深田茂人
大分県弁護士会所属
登録番号33161

大分市城崎町の深田法律事務所代表。
弁護士歴18年、交通事故の相談を1000件以上担当してきました。交通事故被害者と保険会社の情報格差をなくしたいと思い、当サイトにて執筆しています。

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